後悔を少しでも緩和するため、昔に手放した本を買い戻している

2021年、事務所を引き払った際、本をほぼすべて処分しました。

後悔しかありません。

これは本当に、自分にとって学びでした。

昔の自分が目の前にいたら、「絶対に処分しない方がいいよ」と自信をもって伝えると思います。

 

処分したときの気持ちと見通し

増え続ける本にどう対処すべきか。

買ったけど読まない本もたまっていく。

この状態を不健全と感じていた自分は、事務所を引き払い、自宅を仕事場にすると決めたとき、自宅に収まりきらない本と本棚を処分しました。

 

当時、こんなことを思っていました。

また必要だと思えば、そのときに再び購入すれば良い。

お金で解決すればいいテーマと割り切りました。

コストはかかるかもしれないが、それよりも処分した方が目先のメリットが大きい(はず)。

 

また、本のスキャンサービスの活用にも手を伸ばしました。

段ボールで郵送、スキャンしてもらい、kindleで読めるようにする。

でも、うまくkindleで読めないんです。。。

そもそも読めないし、すごい使いにくい(こういうのはトライアルでやるべきでした)。

 

目の前の本の保管をどうすべきか、の悩みが大きかった分、「しょうがない」とも考えられますが、今ならトランクルームを契約して、そこに保管しておく、の一択だったと容易に判断できます。

 

「やらずに後悔するよりも、やって後悔する方がマシ」的な言説があると思いますが、当然ながらケースバイケースです。

この本の処分については、やって後悔する方がマシではなかった、と経験上、わかります。

こうした失敗を経験することで学びにはなっているんですが、後悔先に立たず、です。

 

実際に、買い戻しを始めた

ここ1-2年で、後悔の念がとても強くなっており、そろそろ買い戻しかな、と思うようになりました。

読み返したいときに、その本がないことで思考の可能性が狭くなってしまっていることは事実であり、問題です。

書店に行っても、「この本、持っていたな」とか、「いつ買い戻しやるんだろうか」とか、意味のないことを考えてしまうことも多く、時間の無駄だなー、と感じていました。

 

引っ越しも済んで、本棚も設置できたので、そろそろ重い腰を上げて、買い戻しに着手しました。

ネットで、とりあえず60冊ぐらいでしょうか。

 

でも、ここでわかったのですが、この本いいなーと思っていたものが絶版になっていたり。

お金で解決できるテーマと割り切ったつもりが、全然想定通りではなかった。

 

そして、いざ買い戻そうとすると、この本は買い戻すべきかどうか、で迷ってしまい、悩んでしまったりと、これまた不毛です。

そこで迷ったら買う、で突き進みました。

お金で解決すると割り切って判断でしたし。

 

1時間ほどで60冊を買い戻して、少し気持ちがスッキリしました。

実際に届いて本棚に入れると、「え、こんなに少ない量なの、、、」と困惑。

まだまだ買い戻しの道は遠いことを強く実感しました。

 

「そもそも本を読む目的は、~~」とか、「本は手段であって、~~」みたいな正論は、今回は完全に無視します。

買い戻して、自分の気持ちを整理することが目的であり、無駄なお金の使い方であろうが、なんだろうが、自分にとっては必要経費です。

100万ぐらいで収まるでしょうか(わからない)。

しっかりと買い戻して、買い揃えることで、1つの決着がつき、ゴールを迎えます。

 

無駄を嫌う自分が、大きな失敗をして、遠回りで対処していることは、興味深いことです。

たくさんの無駄を経験し、振り返り、後悔し、自分の失敗に気づくことで学びになることを痛感しています。

 

本は、思い出の複利になる

本には、黄色いマーカーで線が引かれ、たくさんの書き込みがありました。

一部の残っている本から、そのマーカーや書き込みを今眺めることで当時に考えや状況が浮かび上がってきます。

どんなプロジェクトで、どういう悩みがあり、どんな気持ちでこの本と向き合っていたのか、まで思い出せる場合もあります。

自分にとっては思い出を想起させる大切な装置でもありました。

その本を処分したことは、何度も書きますが、後悔でしかありません。

 

この失敗から、本の大切さを本当の意味で学んだ気がします。

読んだ本は処分する、kindleでも大丈夫、何度も読み返す古典だけ残す、必要であれば買い戻せばいい。

これは自分には当てはまらないことでした。

 

この経験を経て、どの本を捨てていいか、どの本は少なくとも今は保管すべきか、の判断ができるようになったと思います。

でも、これは自分にしか適用できない基準です。

経験から学ぶとは、こういうことなんですね。

 

 

参考

これが、自分の気づきになったことは間違いありません。

あの人の本棚 (8)京極夏彦(小説家)

 

追伸

過去の悩みがたくさん書かれていました。

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