人事制度について、ブログに書く際に意識していること

人事制度について、ブログに書いて発信する際、意識していることは3つです。

 

実践知を書く

教科書的な理論は、本を読む方が有益です。

まとまっているし、データも豊富なので。

一方、自分のブログをクライアントとの深い付き合いの中で経験してきた個別事象の具体と抽象を行き来した思考の形跡です。

そこに現場で使える実践的な知があると考えています。

 

例えば、報酬水準について。

様々なクライアントで運用し、採用からのフィードバック、既存社員のリテンションの観点でマネージャーからのフィードバック、財務からの人件費観点のフィードバック、経営からの報酬に対する価値観を踏まえたフィードバックなどなど。

多様な意見、成果と失敗、振り返りを経て、今の報酬水準を提案しています。

 

 

自分のポジションを取る

正解のない人事のテーマ・課題に対して、考え方とメリデメを伝えて、「あとは、よろしく」という記事は、自分がコンサル時代にリサーチしていた際、あまり役に立ちませんでした。

「で?(So What?」」です。

 

正しい、間違っている、という見方はありません。

こういうロジックで、こういう背景があれば、たしかに「こうだよな」と納得できるかどうか。

ポジションが示されていないと、議論が成立しないのです。

 

だから、自分はポジションを明確にしています。

ある方に「そう、それそれ!」と同意をいただけることもあれば、「いや、うちは・・・(違う考え方です)」となることもあります。

当然、前者の方が確率としては多いですが、後者があるからこそ、思考や実践知に幅が生まれます。

 

このポジションで、最も議論になることは「個人の等級公開」です。

自分は公開を推奨しています。

ただし、公開に踏み切れないケースもあります。

例えば、マネージャー(評価者)よりメンバー(被評価者)の方が給与が高い、下位等級(2等級)が少なくて公開すると当人が居づらくなる、など。

問題は、目線をどこに合わせるか。

「今じゃない」という先送りをすると、ずっと公開できません。

やるかやらないか、でしかありません。

成長する企業は、等級を公開します。

 

自分が知りたかったこと、かつ相手の知りたいことを書く

自分の中で発見したこと、そして「これは早く知っておきたかったな」ということがあります。

「等級制度と評価制度の違い」は、過去に自分に早めに伝えたかった。。。

「問い」はもっていたものの、緊急度が上がってこなかったため、知のアップデートができていませんでした。

 

おそらく読者の方も知りたいだろう、という仮説のもと、テーマとして取り上げています。

自分だけが知っておきたかったことは、ブログではなく、個人のメモへ。

 

このブログの根本は、自分がコンサル時代にリサーチをやっていたときの「アレ」です。

どのサイトで調べても同じようなことが書いてあったり、表面的で本質がなかったり、とリサーチに行き詰まっていたとき、突如として「おっ、」というサイトが見つかる、あの感覚。

「もしかして、」と淡い期待を胸に読み進めると、自分とまったく同じ問題意識、思考プロセス、悩みポイントが記されており、明確にポジションが取られている。

そのポジションに同意できなくても、「こうやって考えればいいんだ」と自信をもらうことで、ブレイクスルーできた、あの経験です。

得てして、そのサイトのデザインはよく言えばシンプル、悪く言えば適当。

でも、敢えて狙っているようにも見えてしまい。

過去の記事も読み込むと、本題以外のテーマにも興味部会内容があったりします。

あの感覚を、このブログでも提供したいと意図しています。

 

そのためにも、実践知とポジションを徹底すること、思考のニーズを常に狙っていくことを、今後も意識していきたいと思います。

 

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