中間評価の運用コストを、いかに削減するか?必要最低限の制度を考える

中間評価の重要性は理解できる一方、運用コストが重くのしかかります。

まだクライアントには提案していない案ですが、近々提案する機会がありそうなので、事前に考えをまとめておきます。

 

中間評価とは?

過去にまとめた記事です。

目的は、期末評価の際、自己評価とメイン評価でサプライズ(ギャップ)が起きないようにすること。

そのために評価期間(6ヶ月)の中間である3ヶ月経過時に中間評価を実施します。

 

 

そもそも、評価期間に対する考え方は、こちらで。

 

ただし、期末評価と同じ進め方で実施する中間評価の運用コストに問題がないわけではありません。

自己評価、メイン評価・サブ評価、被評価者と評価者の評価面談(擦り合わせ)、評価会議、フィードバック面談など、フルセットで実施する場合、特に評価者のコストが大きくなりがち。

さて、どうしたものか。

 

目的に照らして考える

中間評価の目的に照らして考えます。

要するに、期末評価でサプライズが起きないようにするため、中間時点でサプライズが起きていたら早々に擦り合わせを行ってもらい、お互いの認識を揃えていきたい、ということ。

もちろん、これ以外にも中間評価を実施することでの効果はありますが、目的を絞れば、やはりサプライズの帽子です。

 

そこでサプライズの防止だけに特化した取り組みで、運用コストを改善できないか、と考えました。

それは「アンケートフォームを使った簡易評価の実施」です。

具体的に、自己評価とメイン評価について、評価理由のコメントを評価シートに書かず、評価の結果だけをアンケートフォームを通じて提出(提案)します。

自己評価では「私の成果評価は、excellent」だとか、メイン評価では「Aさんの成果評価は、satisfactory」だとか、結果だけを選択してもらうイメージです。

この評価結果を人事で集め、自己評価とメイン評価を突合させます。

自己評価とメイン評価で2段階のギャップがある場合は、自己評価とメイン評価ともに評価の理由を評価シートに書いて、擦り合わせ面談を必須で実施するようにします。

もし、自己評価とメイン評価が合致していれば評価シートへの理由の記載や面談は「任意」とします。

評価が低く、メイン評価者からフィードバックをきちんとやっておきたい、または残り3ヶ月の期待について擦り合わせておきたい、という場合はメイン評価者が面談を申し込むでしょうし、その必要が無ければ、スルーで構いません。

 

悩ましいのは、自己評価とメイン評価で1段階のギャップがある場合です。

私は、厳密には「2段階のギャップ」をサプライズと定義しているため、1段階のギャップであればシート記入や面談は必須でなく、任意でいいかも、というスタンスを取っています。

しかし、この1段階のギャップが起きている状態で擦り合わせが行われず、期末で2段階のギャップに広がる可能性も想定されます。

ただし、1段階のギャップであれば期末評価までの日常の1on1などを使ってフィードバックし、軌道修正することもできるのでは、という考えもありそう。

1段階ギャップの頻出率も判断に影響を与える可能性があります。

 

考えてもわからないので、1段階のギャップでも面談等を必須として運用してみて、その必要性を経営と現場の双方からフィードバックしてもらい、改善していくのがいいと思いました。

 

必要最低限の制度

目的を1つに絞り、その目的を果たすためのオペレーションを組むことで、本当の意味での必要最低限を実現できます。

これをやってみて不足があれば足していく。

それで、大きな問題や副作用がなければ、必要最低限で十分と認識する。

このスタンスは、おもしろいし、実践的だと思います。

 

自分のプレゼンスを出すために余計な企画をプラスしていくことは、自己満足にもつながるかもしれませんが、ユーザー・顧客の問題にはつながりません。

というか、不満足につながり、信頼を毀損する結果にもなり得ます。

 

必要最低限の制度。

今後の制度設計に大きな影響を与えるワードになりそうです。

 

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