人事制度を設計・運用した後、制度がうまく機能しているかどうか。
短期的には評価しにくい領域ですが、サーベイによって定量的に振り返る方法を推奨しています。
結果に「納得」しているか?
組織サーベイの目的は、「納得感」を把握することです。
等級判定、人事評価、報酬決定に対して、納得しているか。
納得感があれば、仕事に集中できる環境はつくれていると判断できます。
その納得感を確認するために、シンプルかつ率直に当事者にアンケートを取ります。
納得感が醸成できていれば、今の人事制度や運用で問題ないということ。
一方で、納得感が醸成できていない場合、人事制度を改善するのか、運用を改善するのか、またはマネジメントを改善するのか。
結果と、マネージャーの意見を聞きながら、改善活動に繋げます。
「変化」を見たい
実施概要は、以下の通りです。
- 3ヶ月ごとに実施(中間評価、期末評価の後)
- 全社に対して、全社結果をフィードバック
- マネージャー(評価者)には、部門別結果(チーム別の結果)をフィードバック ※ただし、バイネームがわからないように母集団が3名以上のチームに限る
- フリーコメントを設置する場合は、非開示(バイネーム情報が入っている可能性があり、精査の時間やミスを考慮)
集計については、組織規模が大きくなってきたタイミングでクロス集計を実施します。
- 組織
- 入社年次
- 等級
- 役職
- 年収
- 評価
- 評価者
- 性別
- 年齢層
集計で大事にしたいことは、入社年次に近い概念で、過去と現在の時間軸を踏まえた「変化」を把握すること。
スコアが変化した際、既存メンバーの回答で変化したのか、新入社員が初めて評価を実施した結果として変化したのか、を把握するという意味です。
「前回納得していた方が、今回も納得しているのか」は見ておきたいところです。
見せ方として、シンプルに2軸で整理する方法があります。
縦軸に前回、横軸に今回、としてスコアを集計します。
スタートアップで組織サーベイをやっていると、組織や制度の変化から入社年次(入社時期)によってスコアに差が出る傾向があります。
「この時期に入社しているメンバーは、~のスコアが高い(もしくは低い)」といった結果が出るのです。
結果(傾向)から、採用活動やオンボーディングへのフィードバックに活用できるため、有益な情報だと考えています。
アンケート設問(質問)は、少なく
アンケートは、Googleフォームで作成します。
目的に照らして質問数は、少なくすることを意識がポイントです。
サーベイの質問例を記載します。
- 自分は、成果や貢献に見合った評価がされていると思う
- 自分には、成果や貢献に見合った報酬が支払われていると思う
- メイン評価者は信頼できる
- 自分自身の今期の目標に納得している
3ヶ月の中間評価のタイミングの場合、質問2の「報酬」に関する内容は省略します。
フリーコメントを求めたい場合は、最後に設置します
また、回答尺度はシンプルに3段階です。
- Yes
- Yesとは言い切れない
- No
Yesの割合を中心に見ます。
Noは、明確なメッセージなので、回答した方に対して人事から個別にフォローすることを検討します。
敢えて感覚値を書きますが、Yesの割合で70~80%が標準値です。
90%を超えてくると高スコアです。
まずは、7割の方が人事制度の結果に納得している状態があるかどうかを可視化しましょう。
【参考】