等級制度を検討するにあたり、論点を定め、選択肢を用意して議論を進めようと思います。
それぞれメリット・デメリットはありますが、まずは論点と選択肢を出すことに集中してみました。
(1) 等級の数
- 8等級
- 7等級(一番上位の8等級を削除)
- 8等級(一番上位の8等級を削除+3等級と4等級の間に1つ追加)
補足)デフォルトの等級数は、8等級を推奨。ただし、最も上位である8等級に格付けされる社員はいないため、該当者がいないなら削除するケースも有り。また、3等級と4等級の成長を小刻みに実施できるようにすることを目的に、3等級と4等級に間に1等級を追加するケースも有り。
(2) 等級要件の項目
- 業務遂行力
- 影響力(リーダーシップ)
- 成長変化力
- バリュー体現力
- 専門性
- 期待成果
補足)上記の項目から3つ、もしくは4つの項目を選択し、等級数に合わせて要件を言語化する。
(3) 等級判定の考え方
- すべての等級要件の充足を求める
- ポイント制(等級要件の充足についてデコボコを認める)
- 必須項目を定める(等級要件の充足についてデコボコを認める)
補足)基本的に「すべての等級要件の充足を求める」が、すべての要件を求めることで昇格のハードルが上がってしまうケースがあり、それを懸念する場合は「デコボコを認める」場合も有り(ただし、デコボコを認めるケースは、経験上少ない)
(4) 昇格
- ノーマル
- 昇格候補者制度(3等級以上に適用)
- 昇格候補者制度(5等級以上に適用)
(5) 個人の等級公開
- 公開しない
- 全社員の等級を公開する
- 5等級以上に限り、等級を公開する
補足)個人の等級公開によって、下位等級者のモチベーションダウンの懸念や中途採用で入社した上位等級者へのヤッカミやお手並み拝見意識の醸成を懸念する場合、等級を非公開とするケースがある。
(6) 昇格イベント
- イベント無し
- 昇格者の公表(発表)
- 昇格レポート
補足)等級を公開している場合、昇格者に対するイベントを設計する。全社に公表したり、一言を喋ったり、昇格レポートを作成して公開したり。
(7) 等級判定の時間軸
- 3ヶ月毎
- 6ヶ月毎
- 12ヶ月毎(1年毎)
補足)人事評価や給与改定の時期・頻度も合わせて検討する。最も多いのは、6ヶ月毎に等級判定・人事評価・給与改定を実施するケース。
(8) 等級判定の自己評価
- 自己評価を実施する
- 自己評価は実施しない
- 自己評価の実施は任意
補足)推奨は「自己評価は実施しない」。等級要件は抽象的で、自己評価が難しいため。
(9) 等級判定の対象者
- 全社員(昇格・降格の可能性がまったく無い場合でも等級判定を行い、FBする)
- 昇格・降格の可能性がある方のみ
- 入社年次で管理
補足)全社員を対象にした場合の運用負担は重く、昇格・降格の可能性がある方のみを対象にするケースが多い。入社年次での管理は、JTCの考え方。
(10) 等級と役職の連動
- 連動する
- 連動しない
- (実態として)緩やかに連動する
補足)「連動する」場合、役職に就くもしくは外れると等級も変わるし、役職に就かない限り等級が上がらないといった運用になる。役職者以外でのハイパフォーマーを報いることが難しい制度である。