いつ、目標設定するか?

各社によって「いつ、目標設定するか?」は、違いが出る観点です。

  • 前期末に目標設定する
  • 当期初に目標設定する

この2つのパターンがあります。

 

前期末に目標設定する

例えば、1-12月が会計年度で、上期1-6月、下期7‐12月の「下期」のケースで考えてみます。

この場合、目標設定を「6月」に実施します。

当期が7‐12月になるので、その前期の期末が6月という意味です。

前期末に目標設定する会社は、期が始まる7月1日には、各自が自分の目標を理解し、それに向けて一斉に走り出せる状態をつくりたい、という意図があります。

 

このパターンをとった場合、評価(振り返り)と全社目標の設定・共有が議論のポイントになります。

前期末に目標設定するとなると、評価が完了していません。

振り返りをせずに新しい期の目標設定をしてしまっていいのか。

必ずこの意見が出ます。

前期末に目標設定する会社は、「かと言っても、1on1や中間評価である程度の振り返りはできているので、大丈夫ではないか」や「その意見もわかるが、自社では目標設定を期初がスタートする日にできている状態を優先させたい」といった考え方をします。

議論の途中で「評価を前倒しで実施するのはどうか。つまり、期末の6/30を迎える前の6月中に評価してしまうのはどうか」といった声も挙がりますが、最後までの追い込みを考えると全メンバーの評価を確実に終えることは難しく、目標設定が先、評価が後、という順番になります。

 

次に全社目標の設定・共有について。

個人の目標設定を実施する前に全社目標を設定して、全社員に共有することが必要です。

すると、6月初旬には全社目標を設定するスケジュールとなり、そのための全社成果の振り返りはさらに前に、となると本当にこのスケジュールでできるのか、といった議論が交わされます。

優先順位が「前期末に目標設定する」となっている以上、全社目標のやりくりも先回りで実施しようと意思決定されて進んでいきます。

 

当期初に目標設定する

前期末は現実的に困難と思いながら、且つ評価という振り返りを実施しながら目標設定を実施したいと考える会社は、6月末の評価期間が終了した後の7月に目標設定を実施します。

だいたい、7月初旬に全社目標の共有会が実施され、評価と目標設定が同時に進み、7月中にどちらも完了するスケジュールのイメージです。

この場合、特に営業数字を取り扱う部門やメンバーは、最終的に目標が Fix するのは7月下旬でありながらも、もちろんそれよりも前に自分たちの追い求める数字目標は周知されており、7月のスタート地点では「よーいドン」ができている状態にはなっています。

最終成果である数字の前に位置づく先行指標やプロセス目標が、7月末に向けて設定されていきます。

 

おすすめは「当期初に目標設定する」

自分のポジションを示すと、後者の「当期初に目標設定する」をおすすめします。

理由は、期末評価という公式な振り返りを踏まえて目標設定したい、ということ。

1on1や中間評価でも振り返りはできていますが、最終的な評価ではありません。

その振り返りやフィードバックを通じて感じたことを目標に活かしたいと考えています。

このプロセスがないと「やりっぱなし」になるリスクがあり、制度でルーティン化すると「やりっぱなし」のカルチャーが醸成されてしまう可能性も感じています。

 

ただし、当期初に目標設定する場合、注意しないといけないことは目標設定がズルズルと遅れること。

7月は全社目標の周知や評価、目標設定など大忙し。

先送りされる理由(言い訳)は、いくらでもつくれます。

「やり切る」というカルチャーが弱い組織ほど、目標設定が遅れてしまい、しまいには8月中旬の今頃になっても目標が Fix できない状況に陥ることも。

目標設定が擦りあったら、すぐ中間評価が来てしまった、というケースを見たこともあります。

 

それぞれメリット・デメリットがある中で、あとは選んだ選択肢を正解にすることが正しい制度設計です。

目標設定のタイミング(時期)の検討もまさに、この領域の話。

自分たちの考え方をきちんと整理して、実行あるのみ。

やり切ることが大切です。

 

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