ふと、ネーミングについて思ったことをメモ。
「360フィードバック」は、誰の視点からのネーミングなのだろうかと。
360度という全方位における人、つまりフィードバックする人を中心に定義されたネーミングかと思いました。
あまりフィードバックの受け手を尊重したネーミングになっていないかも、ということで代替案を考えたところ、「多面フィードバック」を思いつきました。
「多面評価」ということはあっても、「多面フィードバック」とは聞かない印象です。
多くの面(メンまたはツラ)に対するフィードバック
とある方を考えた場合、対峙する相手によってスタンスやコミュニケーションは微妙に変わるわけで、一貫性を求められる部分もあれば、人に応じて変化させることが必要な部分もあります。
年長者への敬意を払ったり、後輩へのときに厳しい指導であったり、バカを振る舞うことも。
こうした多様のお面(おめん)を被って、人はコミュニケーションしているわけであり、その面に対する率直なフィードバックが本人にとっての気づきになるのでは、という思考プロセスです。
こう考えると、誰から誰に対するどのようなフィードバックなのか、は重要な観点です。
このことから、まずは記名式でフィードバックを設計しないと、まったくもって意味のない取り組みになります。
AさんとBさんに対峙するときの面は違うわけで、その面に対する当人からのフィードバックを得ることで、狙った通りの声が聴けるかどうかが質の高い振り返りにつながります。
誰からの声かわからないフィードバックを受け取っても、面は多様であるわけで、ましてやスコアで平均化するなんぞ、受け手にとっては面倒なノイズにしかならないと思います。
さらに、運用負担を無視すると、フィードバックを受ける本人がフィードバックしてくれる人を自ら指名し、この人にはこういうことを聞きたい、と自ら質問内容を選択できるようになっていることがベストかもしれません。
Aさんに対峙する際に考えていること、Bさんに対峙する際に考えていることは違うわけで、そうであれば質問内容も違ってくることは妥当です。
質問内容をフィードバックを受ける方がひとつひとつ設計するのは、負担が重く現実的でないので、様々な質問内容を事前に用意しておき、受け手に選んでもらうプロセスを考えました。
5つぐらいの質問で十分だと思います。
本来は、普段の仕事の中でフィードバックし合うことが理想ですが、できているケースもあればそうでないケースもあります。
これを日常業務の中で平準化することは難しく、品質を担保することは難しい。
であれば、年に1回もしくは2回の頻度で、フィードバックを自ら得る機会を、組織として用意するのも1つの手かもしれません。
自分で、この人に、こういうことをフィードバックしてほしい、という主体性が制度に組み込まれると、より当事者意識をつくることができると思います。
360フィードバックは、効果は認めるものの、運用負担が大きく形骸化するケースが多いです。
いかに当事者意識を醸成しながら、フィードバック文化を醸成できるか。
日常業務だけのアプローチではない手法を、工夫して取り入れてみるのもいいかもしれません。
ネーミングの話からは、やや脱線しましたねが、、、