自分の提案を通そうという強い思いはない、ただし会社を良くすることにはこだわっている

最近つくづく実感することがあります。

自分の提案(意見)を通すことに躍起になっていた昔のことを。

自分の言っていることが正しい、相手は間違っている、と本気で思っていました。

その通りの場面もあれば、そうでない場面もあったはずです。

どれくらいの比率かはわかりません。

 

最近は、自分の提案を通そうという強い思いがなくなりました。

丸くなったのか、大人になったのか。

経験値が上がり、俯瞰して物事を見る・判断できるようになったとは思います。

ただ、より影響しているな、と思うのが、協働する周囲のレベルです。

 

高いレベルの人材が集まっている組織で仕事をしていると、自分の意見に固執することがなくなってきます。

なぜなら、HRTの精神のもと、もっと良い意見や、思いもよらなかったアイデアが次から次へと出てくるからです。

自分は、その「呼び水」になることを意識するようになりました。

  • あるべき、問題、課題を丁寧に設定すること
  • 選択肢を幅広く出すこと
  • 無駄な議論は省略して論点をフォーカスすること
  • メリット・デメリットと判断基準を整理して、意思決定しやすくすること
  • ときには捨て案を主張して、「それは違う」という流れをつくること
  • 敢えて「正論を言います」と言って、正論を並べること

 

もちろん、自分のポジションは必ず取りますが、主張するというよりは「たたき台」に使ってもらうテンションです。 

スゴイ組織ほど、まずこちらのたたき台を認めてくれます。

「いいね」と。

相手の専門性に対して敬意を示し、尊重することが組織づくりには大切だと無意識的にわかっているから。

そして、その後により良くするための議論が始まります。

論を否定しながら、昇華させていくのではなく、良い部分にフォーカスを当てながら、もっとよくできるところ(改善できるところ)を模索していくイメージです。

 

「否定して終わり」の組織が多い中、必ず「代替案」を出してくれます。

ここがスゴイ組織とそうでない組織の一番の違いです。

そうでない組織では人材の水準が低いので、代替案を提案することができません。

さらに言ってしまえば、否定の質も低い。

自身の不勉強を露呈しているだけの場合もあります。

 

話が逸れたので戻します。

 

私が議論をファシリテートする際に注意するのは、おかしな方向へ議論が行かないこと、抜け漏れを防ぐこと、意思決定者を明確にすること、議論の時間をしっかりと守ることです。

自分の提案が通ることに、一切こだわりはありません。

嘘をついていると思われるかと思いますが、本音です。

こっちの方が、確実にアウトプットの品質が上がるので。

 

ラジオで「会社の金で自己実現してはいけない」といった発言を聞き、「それだー」と思いました。

自分の意見を通すことで自己実現しようとすると危険です。

なぜなら、組織には相手の意見を否定することで喜びを感じる人がいたり、論破することが自らのミッションだと勘違いしている方々がたくさんいるからです。

自らを不勉強を相手のせいにして(「説明が足りない」と言う)、相手の時間を搾取する人もいます。

こういう方々と一緒に仕事をすると、組織の成果よりも個人の満足が優先されるため、本当に時間を無駄にしているなと、辟易することになります。

お金が時間の対価になった瞬間、仕事はつまらなくなります。

 

ただ、散々過去に自分の意見を通そうと思考を繰り返してきた経験があるからこそ、今このように思考できるのも事実。

過去の「無駄」が今の「効率効果」につながっていることは確かです。

 

本テーマで難しいのは、相手が優秀であれば成立する話であり、そうでなければまったくもって絵空事になるということです。

呼び水になると、それは悲惨なことが起きます。

無駄な時間を過ごすことになります。

だから、相手を選ぶことは大事。

でも、その見極めに失敗することもあります。

そのとき、自分の言い聞かせていることは「逃げない」こと。

約束は守る、ただそれだけ。

ただ約束を守ったら、一目散に去る。

そして、振り返り、同じ事故に遭遇しないよう対策を検討します。

 

当初書こうとしていたタイトルとは違って、いろんな方向に話が飛んでしまいました。

自分は「呼び水」である。

今日のブログで気づいたことです。

 

Share this…