スタートアップにおける人材採用の難易度が、想定以上に上がり続けているのかもしれない

採用担当者の目標設定と評価で同じ悩みのケースを見ました。

なかなか原因分析が難しく、答えは見えていません。

 

目標には未達だが、低評価にしていいのか

採用担当者の目標が採用数・内定数になっている場合、評価はシンプルで白黒がはっきりつきます。

評価制度上、目標が未達なので低評価になるのですが、そこで声が挙がります。

  • 本当に、低評価にしてしまっていいのか?
  • 本人にとって、アンコントローラブルな要素が強かったのでは?
  • このまま低評価だと、本人のモチベーションが心配

 

このような声に基づき、救済措置を検討する流れになります。

 

個人的に気になったのは、同じように定量的に評価される営業職との対比です。

営業職の場合、目標未達で低評価になることへ異論が上がることはほぼありませんが、採用職の場合はあるという印象です。

仕事の違いはあれど、目標と評価の関係性の話なので、この違いは何なのか、と頭を悩ましました。

 

採用の難易度が上がり続けているのかもしれない

あくまでも自分の仮説ですが、採用の難易度が昨今上がり続けており、想定以上に目標達成のハードルが高まっているのかもしれません。

 

「営業より採用の方が大変だ・難しい」と言いたいわけではなく、「思った以上に採用が難しい」や「以前よりも難易度が上がっている」ことを、動き出した後に感じているのかもしれない、という仮説です。

もちろん、難易度が上がっていることは想定しているものの、想定以上の難易度になっており、蓋を開けたら未達だった、という状況に陥ってしまったような印象もあります。

そして、その未達の幅が想定以上に大きい。

90%達成なら「仕方ない」「しょうがない」と言えるところが、50%達成とかだと「そもそも目標値が妥当だったのか?」「本人の責任なのか?本人、相当頑張ってたけど・・・」のような話にもなります。

 

対策

このような問題がある中で、どう対策を取ればいいのでしょうか。

 

まずは、期中に目標値を変更できるよう、例えば6ヶ月の評価期間であれば3ヶ月で目標見直しを事前に設定しておくことです。

まずは高い目標を追いかけるものの、そもそもその数値がお門違いであれば調整することも必要です。

無理ゲーに対して精神論を振りかざすと、総崩れになりますので。

 

次に、評価期間を長めにすることも検討の余地があります。

例えば、6ヶ月を12ヶ月にする。

3ヶ月の振り返りは実施し、6ヶ月経過時に中間評価も実施。

常に目標値の振り返りを行い、現場と採用に対するテンションを擦り合わせていきます。

数合わせで無理くり採用を進めても、ミスマッチを誘発しかねません。

採用担当の倫理観に頼るのではなく、制度で対応すべきです。

 

あとは、採用数という結果指標の他に、プロセスの設計や改善といった先行指標を重視して目標設定することも有りです。

競争環境が激しくなってきた今こそ、逆張りの戦略が有効に効きます。

レッドオーシャンになった今だからこそ、逆を行きます。

このプロセスイノベーションを誘発するための動きを、採用担当だけでなく経営も協力して対応していくのです。

結果が出るまでに少し時間がかかるかもしれませんが、やるならなるべく早い方がいいでしょう。

 

他に、これから組織づくりに入る場合では、採用担当者の採用で差別化することもできます。

つまり、採用担当者のハイパフォーマー採用を実施し、担当に任せて状況を打開できるようにするという考え方です。

敢えて誤解を招く表現かもしれませんが、1000~1500万レベルの採用担当者を採用するという意味合いです。

年収と実力が正しくマッチしていれば、採用競争に差別化をもたらすことができるかもしれません。

 

ざっと、このような対策でしょうか。

背景に、採用競争の環境激化があることは事実です。

一定の投資は必要なので、そこをみちんと見極めること、さらに投資だけでなく戦略や実行の工夫も求められます。

経営の重要な課題として、1段階レベルを上げて捉えることが必要かもしれません。

 

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