なぜ、ポジションを取ることができたのか

先日、拙著の読者の方よりご連絡をいただき、1時間ほどオンラインでお話する機会がありました。

本に対して、とても嬉しい感想をフィードバックしてくださいました。

感謝です。

 

お話する中でいくつか質問を受けたのですが、そのうちの一つが「なぜ、ポジションを取ることができたのか」。

例えば、

  • 個人の等級は公開する
  • 相対評価ではなく、絶対評価
  • メイン評価者・サブ評価者という評価者体制

など、自分の意見を明確にしました。

 

このことに対して「不安はなかったのか」「なぜ、そうすることができたのか」といった質問でした。

こうやって「問い」を与えられると、思考の幅が広がるため、ありがたいです。

そして、改めて考えてみました。

 

今まで現場で実践し、小さな成功も大きな失敗も経験しているから

理論的にはこうかもしれないが、実際はこうなる、ということを経験しているから、明確にポジションを取ることができました。

「明らかに、これは失敗だな」という経験から、「こういうふうになるのか」という経験まで様々です。

 

自分の仕事は、制度設計だけでなく、制度運用もスコープに入っています。

だから、運用の場面で「振り返り」ができています。

これが最大の強みです。

自分の能力が高いのではなく、知を拡張する機会を複数設置し、経験値の向上を仕組み化できている点に強みがあるということです。

 

そのサイクルを回し続けると、自分なりの「こういう場合はこれ」といったパターンが見えてきて、やはり成長著しいスタートアップには「これでしょ!」という提案ができるようになってきました。

 

もちろん事業特性や組織カルチャー、メンバーの性格・能力、フェーズなど様々な要因によって提案内容はチューニングされていきますが、基本の軸はしっかりと形成できています。

そうした経験が「ポジションを取る」というマインドにつながっていると思います。

 

それが「価値」だと思っているから

ポジションを取ることは「価値」のある行為だと思っています。

それが受け入れられるか、受け入れられないか、は関係ありません。

ポジションを取り、「なぜ」を説明し、意思決定を迫れば、まずは前に進みます。

自分の価値は、組織を前進させることです。

 

立ち止まって、悩み、議論が紛糾したとしても、前に進めることが大事です。

そのためには、ポジションを取らなければいけません。

 

正解か、不正解か。

こう考えているとポジションは取れません。

「自分はこうしたい。なぜなら~だから。こうすれば、会社は成長する」という信念が、ポジションの根底にはあります。

 

馬鹿だと思われようが、笑われようが、人事領域に関して「前に進めること」が自分のミッションです。

 

ダメなら変えればいい、と思っている

先ほどの話と矛盾していると感じるかもしれませんが、提案したことを実践して、もしダメだったら問題と原因を見つけて解決すればいい、と思っています。

世の中に「不可逆」なんて、あまりありません。

「不可逆」と思えば、何でも不可逆ですが、変えようと思えば変えられます。

もちろんヒトを変えることはできませんが。

 

自分としてはわかっているつもりでも、クライアントにとってはやってみないとわからないことがたくさんあります。

自分は「問題ない」と思っても、クライアントは「問題である」と感じることがあります。

こういうプロセスを経ることで、お互いの認識を揃えていき、成功確度を高めていくしかありません。

特に、人事では。

 

この精神と進め方は、スタートアップ企業と協働する中で学びました。

スタートアップの人たちは、合理的で、速く、粘り強く、スマートです。

ダメなら変えればいい、を実践しています。

だから、成長できる(成長している)ともいえます。

 

最後は少し話がそれましたが、自分がポジションを取ることができているのは、この3つが背景にあるからです。 

 

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