スタートアップでは、取扱いに差が出やすいジョブローテーションについて、自分の考え方をまとめました。
本人と受け入れ先の思惑が合致した場合に成立する
ジョブローテーションは、あくまでも本人希望が第一だと考えています。
自らジョブローテしたい、という気持ちがない中で進める施策ではありません。
そして、ジョブローテ先のマネージャーが、その人材を受け入れたいと思えるか否か。
この2点の思惑が合致すれば、ジョブローテは成立します。
注意したいのは、現職場のマネージャーの意向。
優秀なメンバーであるほど囲い込みは起きますので、現職場のマネージャーの意向は反映しません。
その職場に残りたいかどうかは、本人の気持ちに任せます。
トップダウンで進めるべきケースもある
本人の気持ちが吹っ切れない、もしくはジョブローテに関する情報が公開されていない・届いていない場合などは、トップダウンでリードしていくケースもあります。
サクセッションの意味合いが強いです。
長期的なキャリアを考えた際、今のタイミングでチャレンジさせることを経営として意思決定します。
先ほど言及した通り、囲い込みが起きますが、そこはマネージャーに強い気持ちで臨みます。
個別最適ではなく、全体最適。
短期視点ではなく、長期視点。
すぐに理解は得られないかもしれませんが、その判断がトップ(経営陣)には求められます。
マネージャーにジョブローテを意識づけ、評価にもつなげる
ジョブローテの目的は、サクセッションと仕事の「飽き」へのソリューションです。
前者は、トップダウンで進めることもありながら、できれば現場マネージャーにも意識づけしたいところ。
ジョブローテの必要性と効果を説き、現場マネージャーがメンバーとのキャリア開発の中で前向きに相談できるようにしたいものです。
しかし、基本は本人希望であるため、会社からジョブローテをガンガン提案することはありません。
この塩梅が難しいところ。
ただ、ここぞ、というときにマネージャーからジョブローテの選択肢があることを伝えられるようにしておくことが組織的なリテンションや人材育成に寄与します。
こうした動きができるマネージャーは、評価に値すると基準を提示することも有りです。
半期の評価基準に埋め込むことは難しいので、マネージャーに関する育成会議体や評価会議体の中で、1つのテーマとして議論します。
ジョブローテは費用対効果が長期に及ぶため、短期志向の強い組織では反発も強くなります。
こういう場面こそ、経営の責任と捉え、リーダーシップを発揮できるようにしたいものです。
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