前回のエントリー「報酬シミュレーション」の続きです。
主に、実務を担当する方向けの補足となります。
Part2 の関数
前回の「【Part2】報酬改定」で、「翌期の報酬レンジに基づく年収」の項目(列)を紹介しました。
この列の意味合いを理解いただくために、実際の数式を記載します。
翌期の報酬レンジに基づく年収
=if(A1<B1,B1,if(A1>C1,C1,A1))
- A列:評価昇給後の年収
- B列:等級に基づく報酬レンジ_下限
- C列:等級に基づく報酬レンジ_上限
※簡易的に1行目で計算しています。
- 「A列:評価昇給後の年収」が「B列:等級に基づく報酬レンジ_下限」を下回っていたら「B列:等級に基づく報酬レンジ_下限」の数字まで昇給
- 「A列:評価昇給後の年収」が「C列:等級に基づく報酬レンジ_上限」を上回っていたら「C列:等級に基づく報酬レンジ_上限」の値まで下がる(降給ではなく、昇給しないという意味合い)
※このケースが上限到達率100%です - 「A列:評価昇給後の年収」が「C列:等級に基づく報酬レンジ_上限」を下回っていたら「A列:評価昇給後の年収」がステイ(報酬レンジの中にスライドする意味合い)
この関数が理解できると、人事制度における報酬レンジや昇格昇給、上限到達率についても、その意図が腹落ちできたと思います。
昇給率
自分が算出している昇給率の計算式もメモします。
=(A1-B1)/B1
- A列:給与改定後の年収
- B列:給与改定前の年収
例えば
- A列:給与改定後の年収:660万
- B列:給与改定前の年収:600万
であれば、「= 660-600 / 600」となり、昇給率は「10%」と計算されます。
昇給率は、個人別の年収と個人別の年収合計について計算し、シミュレーションの都度チェックする重点管理指標です。
給与分布表
クライアントに教えていただいたアウトプットが「給与分布表」です。
スプレッドシートで、縦軸に「年収(10万単位)」、横軸に「部門」、表内に「氏名・年収・昇給額」の情報を記載します。
年収に基づいて全社員をプロットすることで、自部門と部門横断の視点で、自社におけるバイネームの報酬水準を一覧化できます。
この給与分布表を使って、給与改定後の年収をチェックし、違和感を発見します。
年収 | 開発部 | 営業部 | 管理部 |
500 | Aさん・504・+12 | ||
490 | |||
480 | Cさん・480・+60 | ||
470 | Eさん・474・+6 | ||
460 | |||
450 | Bさん・456・+36 | Dさん・456・+0 | |
440 | |||
430 | |||
420 | Fさん・420・+12 | ||
410 | |||
400 |