【Q1】年収が給与レンジの上限に達している場合、上限以上に昇給する?
【A】上限以上には昇給しません
上限で昇給は止まります。
原則、上限以上の報酬(年収)になる社員は存在しません。
上位等級に昇格して、給与レンジの上限が上がれば再び昇給の可能性が出ます。
【Q2】給与レンジが上位等級と下位等級で重なっている(重複している)理由は?
【A】中途採用がメインのスタートアップにおいて、重複させることのメリットが大きいと考え、意図的に重複させました
主な理由は3つです。
- スタートアップは中途採用が主であり、同じ実力でも前職によって報酬水準が異なるため、給与レンジを広めの設定した結果、重複した
- 入社時の等級決定に迷うことを想定し、年収は高くても下位の等級でオファーできるようにした結果、重複した。例えば、職種グループAで年収600万で3等級 or 4等級で迷う場合、3等級でオファーできるようにした、という意味合いです。
- 入社後の昇給の余地をもたせるため、給与レンジは広めに設定した結果、重複した
参考「報酬レンジ[1]」
【Q3】給与レンジは、どのくらいの頻度で変更する?
【A】1年に1回や2年に1回との決まりきった考え方はせず、採用活動から把握できる市場報酬を踏まえて、レンジ変更を検討します
採用活動の中でオファー年収に競争力が足りない場合、迅速に給与レンジを変更して採用競争力を高めることがあります。
特にハイクラス人材の採用に注力している時期は、制度変更後から6ヶ月以内で再び給与レンジを微調整することもあります。
【Q4】給与レンジを変更する場合、全社員の給与を見直す必要はある?
【A】全社員の給与を見直す必要はありません
ただし、給与レンジの下限を上げる場合、下限を下回る社員は下限まで年収を無条件で昇給させます。
上限を上げる場合、特に対応することはありません。
【Q5】評価で S や S+ を取得、または昇格した場合の特別昇給は、どのように決めるのがよい?
【A】ルールは設けず、個別に年収水準から逆算して特別昇給額を決定します
直近の採用活動から把握できる市場報酬水準と社内における他メンバーとの報酬バランスを考慮して、メイン評価者が希望年収を提案します。
報酬を理由を離職してしまうことがないことを目的とし、他メンバーとのバランスを経営や人事と議論して、決定します。
「特別昇給は一律でミニマム5%昇給させる」といったルールをつくると、そのルールに該当しない(市場感を考慮しても特別昇給の必要はない)ケースで困るため、ルールをつくらず、個別対応することをおすすめしています。
※ 参考「入社時期の違いによる給与差をどう調整する?」
【Q6】給与レンジや昇給テーブルを変更する場合、社員への周知のタイミングは?
【A】評価期間が始まる前に周知できることが望ましい
遅くとも評価期間の1ヶ月目には全社員に変更内容と背景を説明します。
報酬に関する制度変更は、全体説明会の場で質疑応答をしても質問しにくい雰囲気も出るため、事前に想定Q&Aを用意して公開したり、説明会後のマネージャーとの1on1でフォローできるようにスクリプトや質問収集用のシートを準備することををおすすめします。