会議の設計

会議、もしくはミーティング。

その設計というと、大袈裟に聞こえるかもしれません。

ただ、会議は多人数を定期的に巻き込む大型の時間投資です。会議のコストパフォーマンスを測定することも難しく、惰性で進みがち。

会議で「食べていく」ことはできませんが、それなりにこだわりたい組織行動だと考えています。

会議の目的

安斎勇樹さん著の『問いかけの作法』を読んでいたら、会議(ミーティング)の目的が書かれていました。

先ほどやった会議の目的は次のうちどれに当てはまるでしょうか。参加者全員の認識が揃っていなければ、まず会議の冒頭ですり合わせましょう。

5つの目的について、少し長いですが引用します。

1 情報共有
情報をインプットするための場です。今後の会社の方針の発表。プロジェクト要件の報告。業務に関わるトレンドや最新ニュースの共有。現場の課題の報告。進捗共有。近況報告など。資料やプレゼンテーションを通して情報共有します。

2 すり合わせ
前提や認識をすり合わせる場です。日々の状況変化のなかで、チームメンバーの一人ひとりの認識は常に揃っているとは限りません。たとえば、先月から売上が落ちているが、この状況をどのように考えているか。サービス開発の進捗が遅れているが、どこかで巻き返せそうか。スケジュールを立て直したほうがよいか。今回のプロジェクトは成功だったか。など、まだ解釈が言語化されて統一されていない前提を、お互いの考えを述べ合うことで、認識を合わせる機会も重要です。

3 アイデア出し
新規事業やサービス開発から、広報やイベントの企画まで、さまざまな場面で「新しいアイデア」あ求められます。ブレインストーミングなどの手法を使って、メンバー同士でアイデアを出し合うための場です。ミーティングでアイデアを出し合う場合は、これまでの切り口のアイデアを発散させることが期待されている場合が多いでしょう。

4 意思決定
具体的なアクションに向けて、物事を決めるための場です。複数のアイデアや選択肢から妥当なものに絞り込んでいくプロセスが求められます。予算の使い道をどうするか、チラシのデザインはどちらにするか、どのコンセプト案を実際に製品化するかなど、アジェンダはさまざまです。

5 フィードバック
部下やチームメンバーの行動に対して評価を伝え、パフォーマンスの改善を促す場です。上司と部下の定例1on1、評価面談、プロジェクトの振り返りなどに実施されることが多いでしょう。専門性を持ったメンバーから、業務に必要なノウハウや改善点について研修としてレクチャーされる場なども含みます。

安斎勇樹 著『問いかけの作法』P176より

個人的には、特に「2 すり合わせ」って大事だなと思う一方、目的から抜けがちかも、と。

自律的にスピーディに判断・行動できる組織づくりのため、情報共有を通じて、組織内の情報格差をなくすこと。何となく、会議体の目的としてすり合っていると思います。

ただ、その情報に対する背景や前提、解釈、導かれる仮説について、共通認識を持つこと。認識合わせ、認識を揃える、とも言えますが、これも組織の自律性を維持・向上させるには欠かせません。

テキスト情報で「読んでおいてね」では共通認識化しにくいことが、たくさんあります。こうしたことを面倒くさがらず、丁寧に進めていくことは、組織づくりの大きな差別化要因になります。

「うちはできている」と自信をもって言える会社と、「何のこと言ってるの、この人」とそもそも前提がズレる会社で二極化すると思います。

会議のマネジメント

次は、こちらの本、長村禎庸さん著『急成長を導くマネージャーの型』。スタートアップでマネージャー職に就いている方に、おすすめの一冊。

こちらでは「ミーティングマネジメント」として会議の設計で必要な6つのことがまとめられています。

①目的 (その会議は何のためにおこなうのか)

②目標 (その会議が終わった時の状態はどのようなものなのか)

③アジェンダ (どんなアジェンダにすべきか)

④参加者 (必要な参加者はだれか)

⑤頻度 (必要な頻度はどれくらいか)

⑥時間 (必要な時間はどれくらいか)

長村禎庸 著『急成長を導くマネージャーの型』P178より

自分のこだわりとしては、「⑦曜日 (何曜日に実施するか)」もあります。

祝日の多い月曜に全社定例会議を入れると、祝日の際の対応が面倒です。毎回1週飛ばせるほど、会議の重要性が低いのであれば、それも問題です。たまにはスキップも、もちろんありですが。

土日休みの場合、週の序盤の月曜、中盤の水曜、終盤の金曜。人の気持ちは違います。

気持ちに配慮した曜日設計って、案外、コスパ高いです。

また、急成長のスタートアップは、事業も組織も変化が速いので、①~⑥も変わります。

一定期間を経たら、会議体を振り返り、再設計することをルーチン化することも大切。惰性や形骸化の兆しを感じたら、躊躇なく議題にあげましょう。

会議を見れば、その会社の思考態度が見える

会議は、多人数を定期的に巻き込む大型の時間投資です。それも単利ではなく、複利です。

そして、会議は企業文化にも強く影響します。時間が経てば経つほど、会議は「暗黙の前提」で流れ出しますから。

これを理解している、もしくは言語化はできていないけど直感でわかっている会社は、会議体の設計に対して深く且つ慎重に考えています。

クライアントと仕事を始める際、「どんな会議をしていますか?」と聞きます。

会議の名称だけで説明を終わるケースもあれば、会議の背景から頻度・時間・曜日に対するこだわりまで「よくぞ聞いてくれました」的に話してくれるケースもあります。

経験上、後者の会社は、その後の人事テーマに関するディスカッションでも、思考が深く、考える態度が誠実です。

一緒に仕事をすることに喜びを感じます。

たかが会議、されど会議、のレベルではありません。「たかが」では、まったくないのです。

惰性で進めず、細部にまでこだわることをおすすめします。

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