スプレッドシートで評価シートを運用する場合、全社員の目標をまとめた目標一覧シートをつくることがあります。
個人の評価シートを全社員に公開してしまうと、評価結果が見えてしまうため、目標の部分だけ切り出して、一覧化します。
目標一覧シートの狙い
狙いは3つです。
① 他メンバーの取り組みが分かる
周りのメンバーの取り組みを把握することで、組織内で自律的なコラボレーションやサポートを促すことが期待できます。
特にリモートワークの環境では、他のメンバーがどんな仕事に取り組んでいるのかが見えにくく、敢えて聞くことも憚られることがあります。週次や月次の全社Mtgの共有で、全社やチームの目標を把握できてとしても個人が追っている目標までは分かりません。
目標一覧が誰でもアクセスできるようになっていれば、気になった際に自律的に目標情報にアクセスできるようになります。その際、たまたま見かけた目標から何か気づきを得ることができるかもしれません。
② 目標設定の参考にできる
自分以外の目標を見ることで、目標設定の参考にできます。
そのまま真似できそうな目標から、一見自分の仕事とは関係ないけど、目標の考え方や振り返りの方法が参考になるケースがあります。
特に組織貢献に関する目標や定性的な目標が、それに当たります。
職種に応じた主要な目標(メインミッション)に迷うことは、ほとんどありません。ただし、メインミッション以外のサブミッションを考える際、他チームや他職種で設定されている目標は、意外と参考になります。
都度相談するには手間なので、自由にアクセスできる状態が程よい距離感だと思います。
③ レビューしやすい
一覧化されていると、目標設定の進捗がすぐに分かります。各自の評価シートを確認する手間を省くことができます。
また、人事や経営層が目標の中身をざっと眺めて、明らかに違和感がある目標があればフィードバックすることもできます。
基本は上長に目標設定を任せていきますが、評価のタイミングで「この目標って、そもそも… (イケていないよね) 」というコミュニケーションが起きないよう、期初のタイミングで振り返っておくことも重要です。
目標一覧シートのつくり方
「評価集計・評価分析」でも書いた IMPORTRANGE 関数を使って、スプレッドシートに全社員の目標をまとめます。
目標をインポートする枠組みをつくって、評価シートの URL を貼り付けて、アクセス許可するだけです。あとは全社員の評価シートの URL を貼り付けていけば完成です。
チームや職種で、目標一覧シートを分けることもあります。
以前は、目標一覧シートを新規ファイルで作成していましたが、最近は「評価者一覧」ファイルの別シートにつくるようになりました。
※「評価者一覧」の参考記事:「評価制度 導入時の評価シート」
「評価者一覧」であれば、全社員に公開するスプレッドシートで、各自が評価シートにアクセスする際に使用するアクティブなスプレッドシートです。
自分の評価シートにアクセスしたり、上長が被評価者の評価シートにアクセスしたりするタイミングで、手間をかけずに他のメンバーの目標設定を見ることができます。
賞味期限は150名ぐらい
社員数が多くなってくると、個人の役割も明確になってきたり、目標の型もできあがってくるので、目標一覧のニーズが下がってくることがあります。同時に人数が増えると作成工数も増えます。
150名ぐらいまでが賞味期限の目安かと。
おそらくこのタイミングでは評価システムを導入しているケースも多いので、そもそもスプレッドシートでの運用は終了しているものかと思います。
形骸化の匂いを感じたら、思い切って止めてしまいましょう。やっぱり欲しいという声があれば続ける、というスタンスで問題ないです。