HRBPのミッションとは、何なのか?
自分の整理のために言語化してみました。
まず、HRBPのミッションを考えるにあたり、HRBPがやってはいけないことを考えました。
それは現場の人事課題の解決です。
起きている事象をHRBPが拾いに行ってはいけません。
特にヒトに関する個別課題、そして面倒でドロドロした課題に着手してはいけません。
受け身の課題解決は、HRBPの仕事ではありません。
それは、直属の上長のマネジメントで解決すべき課題です。
HRBPの貴重なリソースを投下する必要はありません。
組織拡大すると、人的な問題は増えます。
指数関数で増えていきます。
このとき、HRBPのリソースは同じ形状で増えることはありません。
増えていくのは、マネージャーの数です。
マネージャーが様々な課題を解決しなければなりません。
でないと、組織はスケールしていきません。
共通する課題に対してレバレッジが効く仕組みがある場合、それを考え、実装する役割が求められます。
これはHRBPのミッションの1つかもしれません。
個別のわかりやすい事象に飛びつかないように注意しないといけません。
現場から有難く感謝され、課題解決した当人も満足感を得られます。
ただし、その課題解決は、経営に対して大きなインパクトにはなりません。
会社のために役割を区切ることが大切です。
会社のためにやるべき仕事を選ぶことが重要です。
好き嫌いで選ぶわけではなく、企業の成長に資する仕事に向き合うことが必要です。
話は逸れますが、日本の大企業でHRBPという組織・職種を見たことはありません。
自分の経験が乏しいから、というのが主な原因なんだと思いますが。
HRBPは、海外の概念かと思います。
ということは、明確にジョブディスクリプションが決まっており、自分の仕事と他人の仕事が明確に区切られた企業世界で通用する概念なんだと思います。
日本企業のように仕事や役割が重複し、いい意味での連携が進む組織では、なかなか馴染みにくいのでは?と思ったりします。
CoEとHRBPでお互いのミッションに浸食し合ったり、「現場のことが全然わかっていない」とか、「勝手に現場主導でやってしまう」とか、いろいろあるみたいです。
問題の原因は、役割分担が明確に決まっていないこと、決めた役割分担を忠実(徹底的)に守らないことだと思います。
善意で他人のミッションに侵入することは、アーリーのスタートアップなら歓迎されますが、企業が成長して成熟していけば、やってはいけないことに変化します。
会社が成長していく一方で、この辺が整備が進まず、かつHRBPなるものが組織化されるとすり合わせが難しくなっていきます。
HRBPは、業務分掌で役割を規定しないと、その機能を最大限活かすのは難しいと思います。
日本企業の中で、HRBP的な人たちがいないかと言われるとそうでもないと思っています。
事業本部の「副本部長」や「副部長」とタイトルがついたポジションの方が、HRBP的な役割を果たしている姿を過去に見てきました。
その事業に長く関わり、事業にも人的ネットワークにも精通しているベテラン社員だったりします。
レポートラインからは外れていますが、貴重な戦力として特命プロジェクトを担ったりします。
役員や本部長からの信頼も厚く、専門性だけでなくバランス感に長けています。
こういう方が、HRBP的に立ち回れる組織は強いです。
普段、何してるんだろう、と僭越ながら思っていましたが、機が熟せばかなりのパフォーマンスを発揮してくれる頼りになる存在です。
働かないアリ論に通じるところがあります。
たた脱線気味ですが、HRBPは、HR領域からアプローチするビジネスパートナーです。
ビジネスパートナーとは?
要は、売上・利益を増やせるか否かです。
アプローチ、つまり手段はHRなので、採用でも制度でも育成でも労務でも何でも構いません。
事業・組織の課題をHRアプローチで解決し、業績を向上させることがミッションです。
逆に言えば、業績に寄与していなければビジネスパートナーにはなりえません。
短期的な業績だけでなく、中長期的な観点での業績貢献もあるので、評価は難しいところですが、ビジネスパートナーへの発注元である部門長の評価(さじ加減)で判断すればいいと思います。
至ってフェアな評価であり、必要であればリピート、必要でなければリリースとなります。
プロ意識が求められる総合格闘技的な仕事に見えてきました。
相当な人事専門性、コミュニケーション能力、事業開発力がないと担えない仕事です。
スペシャリストですね。
採用部のヘッドハンター(ハイレイヤー採用の担当)や営業部のトップセールスに近い人材をイメージします。
コンサルタントと呼んでもズレてない気がします。