身銭を切る。
理解を深めるために大事なことだと思います。
身銭を切る
『身銭を切れ』(ナシーム・ニコラス・タレブ著)では、「実世界に対してリスクを背負い、よい結果と悪い結果のどちらに対しても、その報いを受けるという意味」と説明されています。
さらに、、、
ハンムラビ法典のもっとも有名な条文といえば、次のようなものだ。「建築者の建てた家が崩壊し、家の所有者が死んだ場合には、その建築者を死刑に処す」
身銭を切ることによって、自分の頭で考え、主体者として判断するようになります。
妥協せず、必要な情報を収集し、自分の価値観や状況に照らして、判断するため、理解が深まります。
株式投資のケース
例えば、自分の身銭を切ったケースです。
昔、株式投資をやろうと思い、本を読みました。
すごい丁寧に書かれているので、どうやって始めればいいのか、はわかりますが、その意味や本当の姿はわかっていません。
身銭を切ってやってみるからこそ、わかるようになります。
無難な性格ゆえ、無難にインデックス投資を始めました。
なるほど、こういう仕組みで株式市場と接することになるのか、と理解が深まります。
そして、欲が膨らみ、個別株も試してみます。
でも、ガイドに沿ってチャレンジせず、大雑把に感覚(センス)でやってみました。
2143円の株価は、400円弱まで下がっています。
こんなに株価って下がるのか、という驚き。
自分にはここまでセンスがなかったのか、という悲しみ。
ここまで来れば損切りなどせず、株式が消滅するくらいまで付き合ってみたい、というのが今の気持ちです。
じゃあ、次は配当金投資。
こちらも本を読んでみて、本に書かれていることを素直に取り入れ、1銘柄購入しました。
安定的に配当があります。
965円で購入した株価は、およそ2倍になっています。
身銭を切ったことで、株式投資と自分を知るキッカケができました。
ストックオプションのケース
スタートアップの魅力の1つにストックオプションという金銭報酬があります。
報酬になり得るか否かは、その会社と環境次第ですが、魅力を持っています。
ただ、このストックオプションの理解は難しく、正しくその価値・魅力を理解するハードルは高いと思います。
何となくわかっているけど、というレベルに留まっているケースも多いのではないでしょうか。
会社側が知識や具体的な数字、事例などで理解活動していくことは大事ですが、社員側の意識も一工夫できると良いと考えています。
身銭を切るです。
スタートアップのストックオプション、労働への対価が「月給」だと意識すると、ただでもらっている報酬になってしまいます。
スタートアップという土俵にチャレンジしている以上、その仕事に労働資本を投下していると考えると、身銭を切っている感覚を持てるのではないでしょうか。
また、もしスタートアップでの転職で年収が下がっていれば、それを金融資本を投下したとも解釈できます。
例えば、年収が100万下がったのであれば、100万でストックオプションを購入したとも考えられるでしょう。
身銭を切っているのです。
この感覚があるのであれば、適当に済ますことはなくなります。
「お金の話じゃない」という話は、いったん無視します。
今はお金の話をしているので。
会社と社員がフェアに関係性をつくり、仕事に集中するには、難しいことを簡単に説明したり、難しいことでもきちんと理解できるよう情報を提供すると同時に、受け手も理解することに一定の時間を割く必要があります。
なかなか情報が出回らない領域ですが、少しずつ透明性の高い役立つ情報も出てきているので、そのような情報に感度を上げておきたいところです。