兼務することを決めたら、そこで終わりではなく、いかに兼務を解消していくのか、というロードマップまで議論しています。
ロードマップがないと解消しない兼務が出てくる
兼務が残り続ける場合、得てして解消についての道筋が議論・共有されず、本人任せ(兼務者本人で何とかする)になっています。
マネージャーを兼務する場合、配下のメンバーがこの兼務問題を解決することは難しく、マネージャーもクリティカルな問題が起きなければ先送りしがち。
そのうち、他のポジションを兼務することになり、問題が重層的・複合的に発展していくと、手が付けられない状態になります。
実際、現場は機能していなくても、組織図上のポジションが埋まっていることで問題が見えにくくなってしまうこともあります。
兼務解消のロードマップ
「兼務する」と決めたら、同じタイミングで「いかに兼務を解消していくのか」というロードマップまで議論しましょう。
具体的には、「解消方法」と「時間目標」を設定します。
解消方法のテンプレは以下。
- 新規採用で配置
- 既存メンバーの引き上げ
- 新規採用で一定期間(1年程度)の育成を経て配置
- 他ポジションとのマージ ※他ポジションの主務に入れることができる
もしかすると「兼務は解消せずに継続する」との判断になるかもしれません。
一時的なポジションであったり、1人月までの必要性が不確実な状態です。
で、あれば兼務をそもそもやめてしまおう、と話が進むかもしれません。
安易に兼務するで終わらすのではなく、現実的な解消方法まで議論が進むことで、結論が変わってくることもあります。
時間目標まで設定できると、実現可能性が高まる
次に時間軸です。
仕事には「期限」が設定されると同じで、兼務にも「期限」を設定するという考え方です。
パーキンソンの法則を踏まえると、期限が長ければそこまで仕事の終着点は先延ばしされるので、気持ち短めの目標設定にします。
ただし、焦りによって採用や配置のミスマッチを起こしてしまわないように、採用基準とプロセスを設計し、計画的に進めていきます。
兼務の怖いところは、何となく運営できていると周囲から見えてしまう点です。
実際に成果やプロセスを具体的に議論すると、維持することで精いっぱいとなり、新しい価値をつくるまでには至っていません。
「兼務だから(しょうがないよね)」と、同情の余地も生まれます。
この情けは、組織成長の足を引っ張ることになるので、嫌われる立場を覚悟して、兼務解消のロードマップに、強い気持ちで対峙することが必要です。
目標を設定すれば、それが1つの基準(目安)となり、実現の可能性は高まります。