プレイングマネージャーをマネジメントする方法

プレイングマネージャーが困っている会社は多いはず。

その問題を、プレイングマネージャーに任せっきりでは解決できません。

会社として、プレイングマネージャーをマネジメントする方法を考えないといけません。

まずできることを整理しました。

 

プレイングマネージャーの投下時間を分析する

プレイングマネージャーに質問します。

「自分の労働時間のうち、何割をプレイング(プレイヤー)、何割をマネジメント(マネージャー)に投下していますか?」と。

8:2なので、7:3なのか、6:4なのか、5:5なのか。

もしかすると2:8と返ってくるかもしれません。

次に、その8や2について、ざっくりとで構わないのでどんな業務なのか、をメモしていきます。

例えば、チームでのミーティングだとか、1on1だとか、自分自身の商談だとか、資料作成だとか。

 

次に、プレイングマネージャーに投下した時間のログを取ってもらいます。

Googleカレンダーを使えば、時間分析はできますし、スプレッドシートでログを残しても構いません。

時間管理のコツは、ざっくりし過ぎないこと。

ベストは1分単位での把握です。

 

投下時間の方針を示す

会社もしくはプレイングマネージャーの上長として、プレイングマネージャーに期待するプレイングとマネジメントの投下時間の割合について方針を示します。

8:2でOKなのか、7:3や6:4を期待しているのか、まずは投下時間の認識を揃えます。

ここでもし認識がズレていると、どんなに頑張ってもアウトプットやプロセスが「期待通り」にならない可能性があります。

 

例えば、マネジメントに5割の時間を投下してほしいとした場合、1ヶ月の労働時間を160時間とした場合、80時間分がマネジメント時間となります。

この80時間をどのように使うか。

会議、1on1、目標設定、チームビルディング、プランニング、成長支援、人事評価、雑務など、ざっくりと時間配分を考えてみます。

時間が余るのか、それとも全くもって時間不足なのかが把握できます。

そして、同じことをプレイングでも実施します。

何に何時間・何分かけているのか、を把握します。

実際、この計画通りに時間を使うことは難しいですが、まずは投下時間を整理できると、実態とのギャップを把握できるようになります。

それが解決すべき課題です。

 

このように投下時間を可視化したら、プレイングマネージャーの上長と時間の使い方について意見交換しましょう。

もっとここに時間をかけてほしい、この業務に時間をかけすぎているかもしれない、なぜこの業務はあまり時間が投下されていないのか、など思考が深まる議論を目指します。

 

職種や所属部門、マネージャーのスキルレベル・経験値によって投下時間の方針は変わってきます。

まずは全社と職種もしくは部門単位で投下時間の方針を示せるといいでしょう。

その方針とズレが大きい場合、マネージャー個人のスキルや経験が影響している可能性が強いため、個別対応に移っていきます。

 

またこうした方針が示されることで現場のメンバーもプレイングマネージャーの実情を把握できたり、マネジメントに対して過度な期待を抱くことも少なくなります。

 

いつまでプレイングマネージャーでいるか?

最後に、いつまでプレイングマネージャーでいるかについて認識合わせをします。

人を採用し、補充できればマネジメント業務にほぼ専念できるようになるのか、それとも採用ではなく育成によってヒト・組織のレベルアップで対応するのか、もしくはそのポジションはプレイングマネージャーであり続けるのか。

この期待値を揃えることで、プレイングマネージャーも先を見越すことができて、少しは気持ちが楽になります。

そもそも、そのポジションはプレイングマネージャーとしての貢献が期待され続けるのであれば、プレイヤーに集中するときは集中し、プレイングマネージャーであることを無用に卑下することはせずに済みます。

 

ゴールのないランニングは、42.195キロと決めてランニングすることでマラソンという競技になります。

10キロ走でもハーフマラソンでも、競技となることで、戦い方が変わってきます。

マイルストーンを定めつつ、ゴールを置くことが、経営がやるべきプレイングマネージャーのマネジメント手法です。

 

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