人事評価は絶対評価、下位1割を相対的に降格対象にする

スタートアップの人事評価は絶対評価で行うことを推奨しています。

全員が高評価を目指して、急成長を実現するためです。

きれいごとが嫌いな質ですが、絶対評価はきれいごとではなく、大切です。

 

ただし、アイリスオーヤマの本を読んでいた際、人事評価の結果が2回連続で下位1割だった場合、降格?(もしくは役職を降りる?)するという制度を見て、これは使えるかも、と思いました。

おそらくアイリスでは評価期間が1年のため、2年連続で下位1割だった場合ということです。

1回目(1年目)がイエローカードで、2回目(2年目)がレッドカード。

 

スタートアップの場合、評価期間は6ヶ月の場合が多いため、2回連続の1年で見ると厳しいし、4回連続の2年で見ると長いので、3回連続の1年6ヶ月が落としどころかと思います。

1ストライクで様子見、2ストライクで追い込まれたと伝え、3ストライクでバッターアウトです。

 

母集団は、まずは「等級」。

3等級の中で下位1割を出します。

営業職も開発職もコーポレート職も含めた全社軸における等級を母集団とします。

単純に、各部門でやってしまうと対象者が増えてしまうのと、部門ごとの人員数を考慮できなくなってしまうからです。

 

迷うのは、母集団に「役職」軸を入れるか否か。 

軸が2つになることの複雑さと、途中で役職を外れるケースもあったりと何かと制度設計が小難しくなることが想定されるため、役職は外すで良しとしました。

 

人事評価上で配点が設定されている場合、その点数を活用し、配点が無い場合は評価記号に紐づく昇給率を点数と読み替えて、ランキングすることができます。

新たな方が採用されたり、社内の昇格・降格によって母集団は毎期変動するため、その変動状況の中で3期連続(1年6ヶ月)で下位1割であれば、その等級に見合っていない、というアラートは出せるかもしれません。

自分で書いていて、3期連続で自動的に降格までは、さすがに厳しいか、、、ということでアラートと書いてしまいましたが、これを自動にすることで制度から生じる緊張感が強くなるとも考えます。

ある意味、2ストライクでアラートを出し、3ストライクになったらバッターアウトにしてしまった方が健全な気がしてきました。

1年6ヶ月もあるので。

ただ、「等級要件に見合っていない」ということは伝えたいので、降格のルール(条件)として「等級内でのパフォーマンスが下位1割で1年6ヶ月続く場合は、当該等級に相応しくない」と等級制度に付しておくことも必要かと思います。

 

個人的には絶対評価が主であり、相対評価を実施する考えは弱いのですが、降格が形骸化してしまうと組織の新陳代謝が促されず、いざ降格を行う際に何もできない組織になってしまうことが懸念されます。

自分としては「降格させたい」というより、その過程にあるフィードバックの質を高めたいという思いが強くあります。

きちんとフィードバックして、改善を追求しないと組織全体の能力が上がっていきません。

フィードバックがないと人は気づかないので、やはりここが大事なんです。

もしくは気づいていてもフィードバックがなければ、自身で問題を放置してしまうと表現する方が適切かもしれません。

そういう意味では、評価結果に応じて自動的に降格する制度をつくっておくことで、降格を回避するためにフィードバックに意識を向けることができます。

 

マネージャーにとって降格は、やることにメリットがありません。

日々コミュニケーションするメンバーと関係性が悪くなるし、余計な仕事が増えるし、(一時的には)恨まれるし、、、

でも、組織として、マネージャーとして、ときにやらなければならないものです。

その意思決定をスムーズにできるようサポートするのも人事制度の役割だと考えています。

 

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