昇給テーブルを額で設定している会社もあれば、率で設定している会社もあります。
額ではなく率で設計する意味について、考えてみました。
世間水準と比較しやすい
世の中の平均水準を把握する際、昇給は「率」で語られます。
ここ1‐2年は物価高も相まって昇給率は高めになっていますが、それまではだいたい2%程度。
この水準を世間水準とした場合、それよりも上か下かは把握しやすくなります。
昇降給への納得感が高まる
昇給を「額」で見るとやや納得に欠けるケースだったとしても「率」に換算して改めて振り返ると、「そうでもない」と思ってもらえるケースがあります。
世間水準や他社水準との比較によって「そんなに悪くない」と比較できることがあります。
もちろん昇給テーブルが額であったとしても、昇給後に自分で率を計算すればいいといった話ですが、そんなことを現場がやることもないし、やらせたくもありません。
直感的に昇給を把握するために率は適しています。
年収(ベース)が高い方ほど、昇給水準が高くなる
年収500万の場合、2%昇給でプラス10万。
年収1,000万の場合、2%昇給でプラス20万。
年収が高い方ほど、昇給水準が高くなります。
年収が高い方ほど、会社からの期待値も大きくなる(と思われる)ため、パフォーマンスに対する評価結果として昇給額に差が生じることも合理的だと考えます。
他方、評価が低ければ、その分降給の金額も上がります。
人件費管理がしやすくなる
総額人件費の上昇分を全社で管理する場合、過去と比較する上でも「率」で管理する方がわかりやすいというメリットがあります。
そのため、個人の昇降給も「率」で設定されていれば、直感的にどのゾーンがボリュームゾーンになっているかも把握できます。
額の場合、すべての金額が出揃った時点で率がわかるようになるため、直感的な把握が難しい。
この小さいタイムラグが意思決定のスピードにも影響してきます。