独立時は、商売をやっている実家の一部を間借りしました。
当時、子どもが生まれたばかりで家では仕事に集中できなかったため、外で仕事ができることはプラスでした。
家から徒歩5分ぐらいで、すぐに帰れたし、交通の便も良かったので恵まれた環境でした。
そのとき、近くにあったシェアオフィスで「18時以降」にオープンスペースを使えるプランがあり、たしか月9000円で活用していました。
これは気分転換が目的でした。
朝から昼過ぎまで間借りした実家で作業し、午後はクライアント先へ訪問、夕方はシェアオフィスで働くといったペースをつくっていました。
独立時は契約・経理・決算など、すべて自分で対応していたため、とにかく時間が必要でした。
効率的にやろうがやるまいが時間で対処しなければならない部分があり、そのときに散々やらかした無駄があったがゆえ、その後の効率化も促されてきたと思います。
このスタイルを1年半ほど続けた後、事務所を借りました。
コンクリート打ちっ放しのワンルームです。
自分の城を構えたようで心躍りました。
13.8帖(約25㎡)の広さで、集中して仕事をするには十分な広さでした。
デスク、大きな本棚、プリンター、ミニ冷蔵庫を設置してひとり起業にどっぷり浸かったと思います。
ここも自宅から自転車で10分弱で、JR・メトロ・都営地下鉄も近くで利便性抜群でした。
このタイミングで、スタッフの方を1名採用しました。
トイレが引き戸一枚だったので、苦労をかけました。
家賃は、107,900円でした。
この事務所には、5年間いました。
次、もう1名のスタッフ採用に伴い、移転を考えました。
現実的に前の事務所で3人は難しく。
色々と調べると、多少収支にも余裕が出てきたときに家賃などの固定費を上げることは気が緩んでいる証拠であり、気をつけろ的なことがたくさん書かれていましたが、それを承知の上で移転。
子どもの小学校の前に新築の綺麗なマンションがあり、以前から目をつけていたので内見。
自宅のマンションも低層で、今までの人生で高いところに居を構えることがなかったので、一度はそういう場所で暮らしてみたい(正しくは仕事をするわけで暮らすわけではない)という下心もあります。
1LDKで、51㎡。
13階で見晴らしは抜群。
自宅から自転車で10分ほどです。
家賃は222,000円と倍以上。
引っ越しの一時金でも、1,226,466円と高額でした。
結論、移転しました。
が、9ヶ月で退去しました。
理由は、コロナで影響で在宅勤務に舵を切り、事務所を使うのがほぼ自分だけになったこと。
もちろん集中できる環境であることは間違いないのですが、費用対効果を考えると無駄が多いので自分自身も在宅勤務に切り替えました。
22万の家賃は身の丈に合ってなかったし、必要経費とは感じなかったのでスッキリ解約できました。
あと空間が広くなると、自然とモノが増える傾向にもなります。
収納があるので、そこに収めてしまうとまだ余裕があるように感じますが、ある意味そこはセカンドハウスであり、なくなる可能性を考えると必要最低限であるべきした。
もともとモノは少ない方だと自分で思っていたものの、いざ退去する際、思いのほか「あるな」となったと記憶しています。
と、ここまでオフィスについて回想してきましたが、固定費の投資という観点ではどうだったのか。
1つ目の約10万の事務所は、十分に投資に見合った効果だったと感じます。
身の丈にあった広さ・家賃であり、自分としても納得感の高い事務所でした。
ひとり起業後、数年は耐える時期も現実的にはあるわけで、当時は「耐える」という感覚はないものの、必死に耐えているところは多々あります。
そのとき、自分がひとりになれる空間・時間があり、周りの目を気にせず、セキュリティ面でも安心・安全に仕事ができることは、会社員時代には感じにくいですが、非常に価値の高いことです。
内(自宅)ではなく、外(事務所)でやることで心身のバランスも取れて、暮らしにも仕事にもメリハリがつきます。
一方、20万を超える事務所は、正直必要なかった。
自分にとっては単なる贅沢でしかなかった。
居心地の良さはあるものの、必要以上だったと思います。
売上や利益に占める割合で固定費の予算を考えると無駄が生じるので、自分としては1‐2名の規模であれば10万前後のワンルームが身の丈にあった最適投資でした。