HBR (Harvard Business Review)の2024年5月号は「リーダーの思考法」。
全体的に実践的で役立つ内容でした。
ジャミール・ザキさんの「共感」に関する論文を自分なりにまとめます。
マネージャーが部下のマネジメントをする上で、いろいろと共感し過ぎると共感疲労になってしまい、バーンアウトしてしまうということ。(看護師や介護士など、共感が強く強いられる現場の事例も出ています)
そのため、「部下のために自身を犠牲にするのか、それとも部下を見放すのかというジレンマに陥ることなく「持続可能な共感」を身につけるための3つの方策」が紹介されています。
マネージャーのメンタル問題に対して役立つ内容だと思います。
①セルフコンパッション
セルフコンパッションとは、自分を気遣うこと。
意識しないと忘れてしまう考え方ですが、マネージャーは常に「人に優しく」あろうとして、「自分に優しく」をないがしろにしてしまう傾向にあります。
まずは、自分を気遣い、自分に対して優しくありましょう。
でなければ、人に優しくはなれません。
仕事で問題が起きたり、悩みが生じても、その事実を書き出し、自分だけがその問題・悩みに直面しているわけではない、と客観的かつ寛大に自己評価することが推奨されています。
要するに「考え過ぎるな」ということでしょうか。
「チームに何か不都合が生じたら、それは自分のせいかだとあなたは思うかもしれない。しかし、友人が同じ問題を相談にきたら、あなたはおそらくその人にさほど厳しい判断は下さないだろう。」
この例えは、腹落ちします。
「自分に優しく」を実践しましょう。
② 2種類の共感のうち、片方を意識して使う
共感には2種類あります。
- 情動的共感:他者の気持ちを引き受けること
- 共感的配慮:他者のウェルビーイングを向上させたいと考えること
共感的配慮の定義がやや難しいですが、相手の悩みを聞いたら、何かした気遣い・対応することだと理解しました。
大事なことは、情動的共感のように他者の共感を引き受けることだけで終わってはいけないということ。
これだけだとメンタルが攻撃されて、バーンアウトにつながってしまいます。
そうではなく、その先の問題解決まで着手しようということでした。
正直、この内容はWhyの部分を自分が読み切れておらず、何となく消化不良です。
ただ、腹落ちしたのは共感には2種類あること、そして他者の気持ちを引き受けるよりもその先の行動が大事だということ。
あと、個人的な解釈として相手の問題や悩みを聞く際、単に愚痴として「聞く」ことが求められるケースがあるので、それが情動的共感であり、その際、相手の気持ちを引き受けるまでせず、ただ聞く(聞き流す)だけで十分だということ。
そこで、変にアドバイスしても相手はそれを求めていないことが多々あり、ただ聞いてほしいというメンタルだったりします。
この2つをどう使い分けるか、まで言及されているとよかったですが、そこは自分なりに考えて実行です。
まずは、相手の話を聞く、ただただ聞く。
そして、その気持ちを自分の気持ちに同化せず、聞き流す。
その先を求められれば、共感的配慮で相手のことを思ったアドバイスへ。
ここで本音というよりは、相手の状態を見極めて、基本的には「優しく」接してあげるんだと思います。
③共感はスキルであると認識する
「こういう3つあります」的な話で、ありがちな後天的に獲得できる説が最後の3つ目。
要するに、上記の①と②を意識して実践すれば、共感力を発揮でき、自らのバーンアウトも防ぐことができるということ。
②は、相談系のスキルに通じるので把握できていた部分はありますが、①は確かに見落としがちだと思います。
子どもの頃からの教育で、「人に優しく」は強固な価値観であり、間違っているわけではありませんが、順番は確かに大切。
他人よりも自分。
過去の偉人は、自分よりも他人なのかもしれませんが、それは偉人の話。
他人よりも自分が、他人を見捨てると同義ではなく、まずは自分に優しくすることで(バーンアウトを防げると同時に)他人にも優しくできるという意味合いです。
マネージャーで日々、気持ちがいっぱいであふれそうなとき、「自分に優しく」を呪文のように唱えていただきたいです。