日経ビジネス(2024.01.08号)を読みました。
タイトルは「賃金革命」。
その中で、全社員の給料を公開している会社が紹介されていました。
WHOLE FOODS MARKET (ホールフーズマーケット)です。
Amazonが買収した会社です。
「昔、ハワイへ旅行したとき、行きました」ぐらいの記憶しかありません。
短い記事内容でしたが、気づきにつながりました。
注目すべきは、その目的。
以下、引用です。
米国には、社員全員の給与を希望すれば閲覧できるオープン・サラリー・方針(Open Salary Policy)を貫く会社がある。代表的なのが米アマゾン傘下のスーパーマーケット、ホールフーズ・マーケット。同社社員は各店舗の売上高や利益、全従業員の給与まで、すべてを参照できるようになっている。同社は、このような方針を掲げる理由の一つに「会社の中での自分の立場や位置付けを確認でき、目標となるポジションに行くには実際に何をすればよいのかが分かる」点を挙げる。
日経ビジネス(2024.01.08号)、P29より
報酬情報の透明性を高めることで、個人の納得感を引き出すと、記事には書かれていました。
「理由の一つに」とある通り、これ以外に理由はあると理解できますが、要するにテキストや図だけでは説明できないヒトの評価や報酬について、実物を見せることで、相手の理解と納得を高める取り組みだということです。
人材水準である「等級要件」だけでは理解できないので、個人の等級を公開することも同じ狙いであると言えます。
個人の意見としては、どうしても報酬については過去(前職)の会社における報酬水準が、現在(現職)の報酬水準にも影響を与えてしまい、実力や実績だけで決めきれない要素があるため、情報公開によって納得を引き出すことが難しいと考えています。
過去の影響を薄めて、現在の基準でアカウンタビリティを果たすには、3年はかかると考えており、中途採用で即戦力人材がバンバン入ってくるスタートアップでは、報酬情報の公開が負のインパクトを与えてしまうという持論です。
ただ、自分の経験上、個人の報酬を全社に公開したことはないため、正直、どのように運ぶかはわからないというのが正直なところ。
クライアントには、「個人の報酬を公開したい」と考えている方もいましたが、経営全体の議論を経て、公開に至ったことはありません。
このように考えると、経験もない中でその取り組みを否定してしまうのは良くないと気づきました。
でも、自分の好奇心だけで報酬を公開することは不可能なので、そのような方針を抱くクライアントと組むしかありません。
その場合、SOとかも公開するのだろうか。
大幅に昇給した際、その理由とかは聞けばわかるようにすべきなのか。
降給した場合は、、、?
いざ当事者意識を持ってみると、テーマが広がっていきそうです。
単に報酬を公開すれば、「終わり」というわけにはいかないでしょう。
議論が散らかることは間違いないので、目的の設計と行き来しながら試行錯誤を覚悟しないといけないように思いました。
最終的には、経営者(CEO)の「Why」や「気持ち」が、目的の主になるのだろうか。
また、採用からの期待値調整も大事そう。
ホールフーズは、どれくらいの組織規模から報酬情報の公開を実施したのか。
考えれば考えるほど、沼にハマっていきそうなテーマです。