12月中旬に「アンラーンを学ぶ宣言」をして、それから4冊の本を読んので、簡易的にまとめました。
参考
- Unlearn(アンラーン) 人生100年時代の新しい「学び」
- アンラーン戦略 「過去の成功」を手放すことでありえないほどの力を引き出す
- 仕事のアンラーニング -働き方を学びほぐす-
- みんなのアンラーニング論 組織に縛られずに働く、生きる、学ぶ
アンラーニングの定義
自分なりに定義すると「より成長するためのプロセス」です。
このプロセスを通じて「引き出し」が増えることで、経験済みの問題解決の幅が増えるだけでなく、未経験の問題に対しても、うまくやりくりできるようになるために有効なプロセスです。
「より」が冒頭についているのは、一定の成功体験を積んで自分なりの問題解決パターンを持っている方が、「より」高みを目指すために有効なプロセスであるという意味です。
なので、経験の浅い初任者の方にアンラーニングという言葉は相応しくありません。
シンプルに「学習」や「学び」、「成長」という言葉が適切です。
アンラーニングというプロセスではなく、アンラーンという行為を定義すると、「過去にうまくいったやり方を振り返り、改善すること」となります。
要するに、カイゼンに関する話です。
ただし、ある程度の成功体験を積んだ方が、より高みを目指して改善することは、成功体験が乏しい方が改善することも難しい。
だからこそ、アンラーンというワードを意識的に使って、実行する必要があると捉えています。
アンラーンというと過去の知識やスキル、成功体験を捨てるようにも感じてしまいますが、捨てるのではなく、「固執しない」がニュアンスとして正しいと思います。
例えば、過去のスキルが適している場面であれば、それを使って対応すればいいと思います。
過去を振り返るか、未来から逆算するか、どちらにせよ「問い」がすべて
アンラーンするための方法を、2つの側面から捉えています。
1つ目は、過去を振り返ること。
- なぜ、これはうまくいったのか?
- なぜ、これはうまくいかなかったのか?
- どうすればよかったのか?
- もしこうしていたら、どうなっていたか?
- 以前は、どうしてこれでうまくいったのか?
事実を整理し、「問い」をたて、それぞれを論理的に紐解いていきます。
その結果として、改善のキッカケを見つけます。
2つ目は、未来から逆算すること。
- 1-2年後って、これはどういう風に変わっているのだろうか?
- もし、これがこのまま進んだら、どういう影響が出るだろうか?
- 2-3年後には、こうなるかもしれないから、こうしてみたらどうだろう?
想像の世界でしかありませんが、過去1-2年の動きや10年の動きを踏まえて、延長線と非延長線で考えてみます。
そうすると、「こういう変化があった(または「ありそう」)。だから、これを変えた方がよさそう」という結論が導かれます。
しかし、この先のアンラーンが簡単にはできません。
なぜか。
面倒だからです。
今まで散々面倒を重ねて、自分なりの成功パターン・勝ちパターンを構築してきたのに、それを再びやるってのは本当に面倒くさい。
「今のままでもやっていけるでしょ」といった心の声があります。
成長志向が強かったり、アンラーンせざるを得ない環境でなければ、前のめりに実行できません。
私の場合で言えば、成長志向というよりは「独立」という環境がアンラーンせざるを得ない環境だと思います。
アンラーンしないと、食べていけなくなるので。
「そんな人をたくさん見てきた」という経験値は、まったくありません。
ただ、直観でわかるのです。
そんな鮮度の低いコンサルタントに、勢いのあるスタートアップが「頼みたい」と思わないことぐらいは。
だから、アンラーンしなければいけません。
アンラーンを実行するためには、上質なフィードバックが必要
アンラーンする方法として上に書いた「問い」という方法は、セルフコーチングであり、なかなか難易度の高い技です。
自分で「問い」を立てることができれば、そもそも成長し続けることができると思います。
しかし、私も含めて、そう簡単にセルフコーチングはできません。
そこで大事になってくるのが、フィードバックです。
ときに、他者からのコーチングになるかもしれません。
自分の意見に対して、別の観点で意見をもらうと、「なぜ、自分はこう考えたのか?」「どうして、そう思いつかなかったのか?」と、状況を客観的に見るキッカケとなります。
これをキッカケにして、セルフコーチングに持っていくと、アンラーンがやりやすいと感じています。
このフィードバックを得るには、自分の意見を他者に伝える場が必要です。
私にとってその場は、クライアントとの制度設計のプロジェクトです。
主に、このプロジェクトを進める会議にてフィードバックをもらい、内省に取り込んでいます。
逆に考えると、プロジェクトから離れ、実践的な内省の機会を失うと、成長の可能性は低くなります。
また、フィードバックしてくださる方の実力値、経験値も大切なパラメータです。
ここが合っていないと、効果は低い、もしくはゼロです。
振り返ってみると、自分が独立してあと半年で10年、ここまでやってこれたのは上質なクライアントによる上質なフィードバックがあったおかげです。
2:8の法則で言えば、2がこのフィードバック、8が自己学習です。
そして、この2のフィードバックによって、これまでの8割の成長を実現してきました。
心底、このように思います。
なので、これからも上質なフィードバックを求めて、プロジェクトに貢献していきます。
それがクライアントの成長にもつながり、インパクトにも波及すると考えています。