人事制度の設計フェーズ、制度導入後の運用フェーズ、どちらもMtgを定例化して進めます。
設計フェーズは、通常は6ヶ月ほどで等級、評価、給与について議論・意思決定します。運用フェーズは、設計フェーズ終了後、制度が導入されてから、ずっと続きます。
制度設計がひと段落して導入までいくと「あとは人事に任せて」となる場合があります。人事が主導することは確かですが、人事だけで進めるものではありません。経営陣、マネージャー(メイン評価者)のコミットメントが不可欠です。
そのコミットメントを維持し続ける仕組みとして、人事定例Mtg があります。
週1回・90-120分を確保する
隔週でも月イチでもなく、週1回の頻度で実施することをおすすめします。
時間は、90-120分。60分だと短いです。
週1回は、まとまった時間を人事にあてる。その時間は人事に集中する。これを習慣化するイメージです。また、イレギュラーな問題も不定期で発生するため、週1でタイムリーに対応できるリズムをつくっておくことも長期的な組織運用に役立ちます。
設計フェーズの参加者は、経営陣と人事です。制度導入後の運用フェーズの参加者は、経営陣と人事にマネージャー(メイン評価者)が加わります。運用フェーズにおいて組織規模が拡大してくると、マネージャー(メイン評価者)が全員参加することが難しくなってくるため、参加者設定を再考する必要が生じます。
この頻度・時間で提案すると「そうだよね、これぐらい時間かけないと」という声もあれば「こんなに時間かけてやることある?」という声もあります。「やること」結構あります。
人事責任者の役割は、アジェンダをつくること
運用フェーズに入ると「評価をやって、給与を決めて」というわかりやすいアジェンダがあります。
このわかりやすいアジェンダの他に、やるべきこと・考えるべきことをつくる(企画する)ことが人事責任者の役割です。
ただし、毎週アジェンダをゼロベースでつくることも大変なので、例をまとめました。運用フェーズで繰り返し話し合うテーマです。運用の自社の人事定例Mtg の設計や振り返りの材料に使っていただければと。
※ あくまでも例で、どの会社でもすべてのアジェンダをやっているわけではありません
※ 採用は別領域としました
・試用期間チェック
・労働時間チェック
・運用関連:評価者決定、人事カレンダー周知、など
・目標設定レビュー (目標設定会議)
・昇格候補者決定 (昇格候補者決定会議)
・中間評価決定 (中間評価会議)
・期末評価決定 (期末評価会議)
・報酬検討 (プレ報酬会議)
・報酬決定 (報酬会議)
・等級決定 (等級会議)
・マネージャー決定 (役職会議)
・制度/運用の振り返り
・評価者研修
・組織図決定 (組織設計会議)
・キャリア検討 (人材育成会議)
・組織サーベイフィードバック
・マネジメントサーベイフィードバック
・360フィードバック
上記以外で、都度発生するテーマや人事制度の改善がアジェンダに加わります。例えば、給与レンジの変更、等級要件の変更、評価基準の変更、などなど。週1でも検討が追い付かないことがあります。
意思決定、議論、共有、擦り合わせ、相談、(雑談)
人事定例Mtg でやっていることは、意思決定、議論、共有、擦り合わせ、相談、(雑談)、です。
重要なテーマ(アジェンダ)について、意思決定したり、議論します。
また、必要な情報を共有したり、経営陣とマネージャー(メイン評価者)と人事の認識を擦り合わせます。
あと、オープンに相談しにくい事案を相談します。少々の雑談も。
伸びるスタートアップほど、時間が足りません。自らのミッションと目先のやることで手一杯になります。
そういう場合ほど、経営陣やマネージャーが集まる「場」は、意図的かつ計画的に設計しないとなくなってしまいます。
人事定例Mtg を、この貴重な「場」として活かすことをおすすめします。