スタートアップの創業フェーズからシリーズA前後では、全社一丸となって全員で協力しながら、事業を推進していきます。
みんなが兼務状態。
職種に関係なく、展示会に参加したり、ときには商談にもチャレンジ、トラブルやインシデントにも全員が協力して乗り切ります。
役割分担が曖昧な状態でも、理念や事業への共感、強い仲間意識が、高いモチベーションを維持します。
しかし、年収水準が上がり切っていない状況ゆえ、経営陣の抱く金銭的な不安から「セールスインセンティブ」の導入が検討されることがあります。
営業成果への動機付けを強化するために、個人単位もしくはチーム単位のインセンティブを導入してはどうかと。
確かに、セールスメンバー・セールスチームが営業成果の主の役割を担っていることは間違いありません。
ただし、この時期の営業成果は、セールスメンバーだけの貢献ではありません。
全社の協力のもとで、小さな積み重ねもあり、成果となります。金銭は、わかりやすい評価の象徴です。
チーム一丸となって前進しようとしている組織に、あからさまな差をつけることは成長を後押しする制度にはなり得ず、足を引っ張り合う制度になります。
とにかく役割意識が強まり、思いやりが薄れます。
想像以上にチームワークを毀損してしまいます。
セールスチーム内でもお互いに情報を隠したり、ノウハウをシェアしない、顧客の取り合いなど、会社にとってマイナスな行為を平気で誘発してしまうのが、セールスインセンティブです。
悪意はありません、仕組みが悪いのです。
スタートアップのインセンティブは、ストックオプション一択。
報酬は、等級と評価に応じて昇降給させる。このセオリーを重視しましょう。