マネージャーに任命する際、最低限、会社として確認すべきことを考えました。
相手に応じてフォローをできるようにする
スタートアップは中途採用前提ゆえ、新たにマネージャーの任命される方の経験も十人十色。
豊富なマネージャー経験があるケースもあれば、我流でやってきたケースもあります。
人事制度やマネージャーオンボーディング、研修など様々なインフラの違いも含めて、各自の経験はバラバラです。
そこで、自社におけるマネージャーの役割を定義し、簡易的な振り返りをマネージャーの上長が実施することで、現状を把握することから始めます。
もちろん自社でマネジメントを遂行しているわけではないので、わかる範囲での仮説に過ぎません。
ただし、このプロセスを踏むことで、マネージャー任命後に相手に応じたフォローができるようになります。
「そうだったの」というネガティブなサプライズを防止できるという意味です。
マネージャーの役割
各社でマネージャーの役割にバラツキはあると思いますが、デフォルトとして外せない項目例を挙げてみました。
仕事、人、組織の3つの観点について、「大」「中」「小」の単位で整理した例です。
仕事のマネジメント(大)
- 目標設定(中)
- 自組織目標の計画(小)
- 上位組織の目標に対する意見・提案(小)
- 組織成果創出に向けた実行(小)
- 業務支援
- 1on1
- 仕組みづくり
- 障害対応/トラブル対応/緊急処理対応
- 全社/他組織へのアラート共有
人のマネジメント
- 報酬決定
- (入社時の)等級・報酬の提案
- 人事評価/フィードバック
- 昇格条件/降格条件の提案
- 等級要件/評価基準の更新
- 人材育成
- OJT
- OFF-JT(組織内の育成施策の実行)
- 短期/中長期キャリアの提案
- 異動/配置の提案
- 労務管理
- 健康管理
- 勤怠管理
- ハラスメント防止
組織のマネジメント
- 採用
- カジュアル面談
- 面接
- 採用合否の提案
- 採用基準の設計/更新
- 人員計画の提案
- カルチャーづくり
- バリュー体現
- バリュー浸透
- カルチャー形成施策の提案と実行
- チームビルディング
- 人間関係づくり
- 業務環境づくり
- 組織間連携
- 他組織との調整
- 自組織情報の発信
- 他組織情報の共有
自社におけるマネージャーの役割に翻訳する
上記の役割は、あくまでも項目ベースの例なので、これを確認用にテキストに自社で翻訳する必要があります。
自社のマネージャーにどこまで・何を・どのように求めるのか、を意識しながら翻訳するイメージです。
自社では必要ないと判断されれば、その項目は削ってしまってOK。
なるべくシンプルな構成にして、集中的にフォローすべき観点を抽出できることが理想です。
この確認を通じて、マネージャー任命を辞めることは、ほぼありません。
戦略を実行する組織設計が優先されるのがほとんどで、潤沢なマネージャーリソースを抱え、余裕をもって任命できるスタートアップはない、という意図です。
現有戦力で、いかに戦うか。
そのための仕組みの1つとして、参考にしていただけると。