人事専門雑誌『月刊人事マネジメント(10月号)』が届きました。
メインテーマは「副業・兼業における労務管理」。
ただ、個人的に、その下の Case Report 日清食品「成長実感会議」が目に飛び込んできました。
すごいタイトルだな。
スタートアップにおける人材マネジメントにも活かせそう、という直感もあります。
成長実感会議を妄想してみる
今、このブログを書いている瞬間、まだ成長実感会議に関する本文は読んでいません。
もし、自分が成長実感会議を設計すると、どんな制度になるのか。
妄想してみました (箇条書きしてみました) 。
- 目的は、社員が成長を実感できるように振り返りを実施する
- 6ヶ月に1回の頻度(成長って考えると1年に1回かな)
- 本人と上長が成長実感シートに、6ヶ月間で「できるようになったこと」を言語化する
- さらに、今後6ヶ月から12ヶ月、あと3年後ぐらいにどんな状態になっていたいか、も言語化する
- 人事制度(等級・評価・報酬)とは切り離す、つまり評価には直接的に反映されず、報酬には関係しない
- 定量的なスコアリング・ラベリングはしない。(ここ一番迷ったところ。こういう制度を文章・コメントだけでやってしまうと、結論が見えにくく、形骸化しやすいかも。ただ、スコアリングしたら、評価の色合いが強まってしまい、目的と違った方向で運用されることを懸念。でも、定量情報が必要なのかな~)
- 上長が集まり、メンバーの成長について一言コメントし、周囲からフィードバックをもらう。組織階層に応じて会議体・参加者を定義して、多角的な観点でコメントをもらい、本人へのフィードバックを強化する。時間配分は、一人あたり5分が目安(5分に満たないケースも有り)
- 部長層については、役員で実施。社長も参加。将来の経営チームについて意見交換する場となる
- 最後に、メンバー本人と上長で面談を実施、30-60分。お互い意見を交わし、気づきを得る機会とする
まだ、雑誌の本文は読んでいません。
すべて妄想(仮説)です。
これから本文を読み、まとめ、考察してみます。
成長実感会議とは?
本文を読んでみました。
以下、本文から引用させていただきました。
・社員のさらなる成長を支援する「成長実感カンパニー」を標榜する
・成長実感会議は、マネージャーがメンバー1人ひとりの成果・成長課題を、役員・部長・課長など管理職以上が出席する場でプレゼンする内容で、半年に1回開催される
・評価対象者はメンバー層
・マネージャー1人の視点ではなく多面的かつ複眼的に評価することでメンバーに対して納得性の高いフィードバックを行う目的があります
・より成長に焦点を当てる主旨から「成長実感会議」というネーミングで制度化された
・個人目標設定からマネージャーとの定期的な1on1、そして「成長実感会議」で得られた多面的かつ複眼的なフィードバックを行うサイクルで「自律型人材」の育成を目指す
・成長実感会議ではまず各メンバーの半期目標に対してマネージャーの立場から説明します。
・例えば、人事の場合、CHRO含めて9名が集まり、ほぼ1日がかりでメンバー約30人のプレゼンおよびディスカッションを行っている
・複数のマネジメント層の意見を反映した質の高いフィードバックはメンバー納得感を高める。そしてそれは各メンバーの成長意欲につながる
・この会議の評価は昇進昇格に連動します
・成長実感会議は成長課題を話し合ってもらう場で、評価会議で終わってほしくないのです
考察
妄想、見事に外れました。。。
評価制度の一部だったんですね。
評価・フィードバックにおける育成機能を強化するためのネーミングでした。
きちんと時間をかけて、振り返りを行い、評価だけでなく納得感を重視したフィードバックに力点が置かれている点、素晴らしいと思いました。
経営トップが育成面にコミットして、取組みをリードしている雰囲気を伝わってきます。
1つ気になったのが、成長実感会議は期末の振り返りで実施されると読み取りましたが、その場で目標設定から説明(プレゼン)するという流れ。
もちろん期初にマネージャーとメンバーで目標の擦り合わせをしているはずですが、期末のタイミングで目標を共有した際、目標に対する意見が出てしまうことは?という話です。
自分も数多くの評価会議を運営してきましたが、期末の時点で期初の目標設定に意見が挙がることが意外とあり、「そもそも、この目標って~」みたいな。
「今さら言われても」という空気感が、当事者と組織全体のモチベーションに悪影響を及ぼします。
反省して次回以降の改善に繋げよう、となったとしても期初の目標設定をレビューする仕組みをつくらないと同じことが繰り返されるので注意が必要です。
日清食品のケースでは、あくまでも人材育成に主眼を置いた会議体であり、育成をテーマにディスカッションする上で目標が共有されている、と捉えました。
一方、別テーマとして「目標」の品質管理は、常にイシューになりそうなので、このテーマについて自分なりに考えを整理しておく必要がありそうと思った次第です。