育休1ヶ月必須化、男性100%取得

月刊人事マネジメント9月号で、江崎グリコさんの育休施策が紹介されていました。

企業データ欄に記載されていた従業員数は、単体で1,,424人、連結で5,321人です。

 

Co育てPROJECT (こそだてプロジェクト)

D&Iの一環として実施 、長く活躍できる環境を整え、特に女性がリーダーとして意思決定に参画できる環境が目指す姿として定義されていました。

 

今回注目したのは、Co育てPROJECT の1つである「子育てMonth」。

制度の概要について、引用します。

・狙いは男性の育児参画と働き方の変革
・KPIは、男性育児休暇取得率
・男女とも対象(夫婦同時取得も可)
・子どもが生まれてから6ヶ月以内に連続1ヶ月の休暇を必須とする
・事情がある場合は2分割可、ただし1回につき連続暦日7日以上
・休暇は有給
・評価(1)休職で目標達成できない部分は、評価でマイナスにしない
   (2)代替者が代替した業務は、評価の対象とする

 

育休に向けて、上長や同僚向けに業務サポート体制を構築するチェックリストをつくったり、研修を実施して育休に対して意識改革したり、導入・定着への取組みも実施されています。

結果として、男性の1ヶ月育休取得率が100%になったというお話です。

 

評価はマイナスにしない

興味深いと思ったのは「評価はマイナスにしない」ということ。

実際、評価する際に育児休暇が原因なのかどうか、は判断がつきにくく、運用の難易度は高いかも、と思いました。

記事では書かれていない苦労があるだろうし、課題に対して様々な対策を講じているはずです。

でも、目標達成できない部分は評価に影響しない、と言い切るこの「潔さ」。

自分は、この「潔さ」に強い好感を覚えました。

 

こういう話が出てくると、必ず「この施策は業績に良い影響を及ぼすのか?」という意見が出てきます。

「不公平感は?」とかも。

でも、正直そんなこと証明できないし、「業績に良い影響を及ぼす」と証明できてれば、どの会社もみんなやってるでしょと。

そうじゃなくて「これが大事」という「価値観」の問題です。

時代は確実に変わっている中で、価値観もアップデートを図らないといけない。

柔軟且つ素直に対峙しないと、買い手からも売り手(働き手)からも見放されてしまうと、経営層がどれほど危機感がもてるかだと思っています。

 

CSでメシが喰えるか

以前の仕事で「CSでメシが喰えるか」という話がありました。

「顧客満足度を主要KPIにして売上が上がるのか」という意味です。

「上がる」という信念もあれば、「そんなに甘くない」という信念もある。

これが経営なんだな、と。

どっちが正しいとか、そういう話ではなく、信念の問題であり、その選択を正解にできるのは、究極的には経営者次第だと理解しました。

 

江崎グリコさんの事例も同じ話。

自分たちの信念がきちんと見えているところが素晴らしいです。

こういう男性育休や女性管理職の課題って、やろうと思えば自分たちの裁量と工夫でできる領域。

何年経っても女性管理職の比率が上がらないのは、やろうという信念がないだけ、という自論です。

もしくはやりたいことを実現する能力が足りないとか。

 

少し脱線しましたが、自分は、証明できないことに対して「潔さ」をもってリードできる組織が好きなんだと認識したお話でした。

 

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