HRBP というワードが定着しました。
人事の現場でも、日常的に使われています。
自分が HRBP について初めて質問を受けたときを思い出しました。
通常の人事よりも事業に入り込む
2019年1月、ある会社の人事の方から「自社で HRBP を立ち上げる。どんな仕事をすべきなのかわからないので教えてほしい。もしくは HRBP を担っている方と繋いでほしい」と依頼を受けました。
恥ずかしながら、自分も HRBP を知らず、逆に「ごめんなさい!HRBP って何ですか?」とお聞きすると同時に、すぐにググってました。
当時教えていただいた定義は、「通常の人事よりも事業に入り込んで、事業部人事のようなかたちで、組織づくりや評価、研修育成の提案実行をしていくようです。」でした。
なるほど。
その時、思ったことは「自分がやっているコンサルティングも HRBP の一種なのかな」ということ。
前職でも常々、
- 人事コンサルでなく、経営コンサル
- 経営・事業にインパクトを出す
- ビジネスから考察する
- 事業・現場に入り込む
- 人事制度をつくることが仕事ではない
といった薫陶を受けていたので、結果として HRBP 的なことも価値として提供していたと思います。
領域が広い
自分は、スタートアップの人事制度を設計・導入し、運用をサポートしながら、制度をブラッシュアップする価値を提供しています。
組織のコンディションを振り返るため、組織サーベイを実施したり、メンバーへのヒアリング(インタビュー)を実施して、組織の課題解決のキッカケもつくります。
さらにマネージャーへの評価者研修や1on1研修といったサポートも。
こうした取組みを、スタートアップ組織に最適化させて提供しています。
本物の HRBP は、ここに採用という最重要な領域が入ってきます。
(自分は採用領域が専門でなく、価値提供できていません。)
人材フローマネジメントのインフロー(採用)から始まり、配置・オンボーディング・評価・報酬決定、場合によってはアウトフローまでを担っていきます。
全社最適の視点をもちながらも、部門長のパートナーとして組織づくりを通じて、事業推進していく役割です。
難易度、相当高いです。
副本部長・副部長が担っていた役割?
別の方とお話している際、「大企業の HRBP って、副本部長とか副部長がやってたんじゃない?」という話になり、「確かに」と思った記憶があります。
自分の経験でも、大企業の人事改革プロジェクトで、「副本部長」がリーダーになっているケースがありました。
当時は、HRBP なんて何も考えずに「かなり偉い人」という認識で対峙していましたが。
もちろん HRBP だけをやっているわけでもはなく(HRBP が中心でもなく)、事業サイドのプロジェクトが中心だったはずですが、このクラスの方が担う役目として、今考えてもフィットしていたんだろうと思います。
ライン組織のマネージャーとしてメンバーをリードして事業をつくりあげてきた豊富な経験があり、社内外(特に社内)の人脈も広く・深く、何よりも「信頼」があります。
人事という正解のないテーマで、トレードオフを解消できない矛盾のマネジメント・意思決定をしないといけない場面では「信頼」が必須であり、プロジェクト推進の原動力になります。
確かに、こういうポジションの方が重要プロジェクトを遂行して会社を支えていたんだな、と改めて考える機会となりました。
少し本論から脱線しましたが、現場における制度や施策の支援から、部門経営のアドバイザリー、重要プロジェクトまで幅広い領域があり、人事として大きく成長できる場であることは間違いないはずです。