権限移譲がうまくできている組織に通じるポイントを考えてみました。
もちろん、権限移譲が目的でビジネスをやるわけではありませんが、人も組織も成長するには権限移譲が不可欠だと思っています。
頼り上手
バカっぽい言葉で恐縮ですが、本当に頼り上手だと思います。
お互いの強みはスゴさは自然と見えてくる一方で、弱みもきちんと開示できる。
自分にできないこと、自分よりも他人に任せた方が良いことを見極め、適切な人材にお願いします。
頼られた人は「何としてでもやってやろう」とモチベーション高く取り組みます。
これが日常的な光景として進むのが、権限移譲できている組織です。
承認欲求という言葉がありますが、認める=頼られる、が分かりやすい構図かと。
自分も働くなら、こういう組織がいいですね。
やりがいをもって、顧客・社会に価値を提供できると思います。
当たり前の話ですが、頼り上手になるためには、頼れる人材が必要です。
頼り上手の組織は、そこを外しません。
採用には一切手を抜かず、最優先事項としてコミットしています。
そして、いかなるイレギュラーも許容しません。
言葉では「採用が一番大事」と言っておきながら、人の見極めが甘く、「看板(過去の経歴)だけ」で採用する組織がごまんとあります。
採用時ほど、イレギュラーを正当化しようと力を振り絞ります。
特にトップの権限とばかりに、直感と独断で決めた採用は非常にリスキーです。
正しい・間違い、という前に周囲の理解や納得感が得られません。
あと、トップが推進した採用でミスった場合ほど、振り返りが難しいものはありません。
当事者は辞めていき、反省はされず、同じ失敗が繰り返されます。
やり切る
優秀な人材を採用し、権限移譲するので「やり切る」というカルチャーが根付いています。
カルチャーとは、行動のこと。
つまり、いかなる状況でも、何としてでもやり切ります。
だから、権限移譲できます。(だから、企業成長できます。)
やり切ることに向けて、周囲のバックアップもメリハリが効いています。
というのも、任せられない・もしくはここは自分がやった方がよい、というポイントは外しません。
ハイリスク・ハイリターンには手を出しません。
なので、やる方も任されたら自分がやり切らないといけない、と自覚できています。
「任されたけど、できないかも」という空気、そして「やっぱりできませんでした」という演劇は、そこにはありません。
みんな真剣です。
任せる
権限移譲したら任せる、も当たり前ですが、なかなかできている光景を見ません。
もちろん会社を左右する意思決定を任せるという話ではありません。
些末といったら言い過ぎかもしれませんが、「それぐらいいいじゃん」という小さい話も任せきれない組織があります。
提案する側も「どうせダメだろうな」的な学習性無気力に陥るので、品質も下がっていきます。
こういう場面で、提案側に問題意識を持つケースもありますが、時代遅れな感は否めません。
ヒエラルキーな根性論・精神論だけで、人もモノもお金も動く時間は、もう終わっています。
ちなみに、権限移譲できる組織は「え、それOKなの」とこちらが驚くレベルで任せていきます。
この積み重ねは、コミット力や思考力といった組織能力に大きな違いをもたらします。
任され、自分で考え、提案し、受け入れられ、実行し、失敗し、それでもやり切る組織は、自分で課題を見つけ、解決する能力が向上します。
その結果、リーダーシップが発揮されていき、著しく成長していきます。
一方、任され、自分で考え、提案し、小さいこともごちゃごちゃ言われ、受け入れられず、他人の方針で実行し、失敗し、自分は諦め、他の人が尻拭いする組織は、他人が課題を見つけ、自分が解決する能力が向上します。
解決する能力は同じように高まりますが、課題を発見する、つまりリーダーシップを発揮して、方針を提示し、周囲を巻き込む力は高まりません。
こういう人材がマネージャーに昇進すると、やっかいな結末に陥ります。
上質な課題が設定されないので。
話が少し横道にそれましたが、権限移譲したい、という気持ちがあるなら、頼り上手になって、きちんと任せることをおすすめします。
そうすればやり切る組織へと成長し、権限移譲の効果を実感できるはずです。