等級制度の昇格。
報酬にも育成にも大きな影響を及ぼす人事イベントです。
等級要件(等級定義)に基づき、昇格するための条件が導かれます。
昨日、クライアントとコミュニケーションする中で、ふと自分の昇格条件を思い出す機会がありました。
昇格条件のイメージを擦り合わせるための参考情報として、今日はそんな思い出話を書きます。
アソシエイトからコンサルタントへ
新卒でコンサルティング会社に入社しました。
大学入試で浪人、さらに大学で留年までしてしまったので、新卒といっても世間一般と2年の差がありました。
入社時の等級は、アソシエイト。
コンサルタントやマネージャーの指示に基づき、資料作成やデータ分析、クライアント先への訪問準備、プロジェクトにおける担当パートのプレゼン、日程調整などを担います。
アソシエイトとして3年3ヶ月働き、コンサルタントに昇格しました。
(昇格タイミングは7月の年1回)
この間にアサインされた主要なプロジェクトは以下の通り。
- アセスメント
- 5社合併に伴う人事デューデリジェンスと新人事制度設計
- 2社合併に伴う人事デューデリジェンスと新人事制度設計
- ベンチャー企業での人事制度設計
- 書籍執筆(大学の先生と協業)
このプロジェクトを通じて、コンサルタントに必要な能力をレベルアップさせていきました。
コンサルタントへの昇格条件
今思い出すと、コンサルタントになるために主に3つの条件があったかと。
① 人事制度を設計できる
人事制度、つまり等級制度、評価制度、報酬制度を設計し、ドキュメントにアウトプットできること。
アウトプットとその過程を通じて
- 自分の頭で考えること
- 単に制度設計するのはなく、クライアントのビジネスを理解し、戦略から制度を導くこと
- 期日から逆算して、企画、アウトプット、レビューをまわすこと
- 設計した制度を導入までもっていくこと(説明会実施、マニュアル作成まで完遂すること)
あたりが、見られていた(評価されていた)と思います。
等級要件のキーワードとしては「論理的思考力」「アウトプット力」「タイムマネジメント」と定義できそうです。
② 一人でクライアント先に訪問できる
アソシエイトは、基本的にコンサルタントやマネージャーと共に行動します。
クライアント先に一人で訪問して、ヒアリングやプレゼンをすることはありませんでした。
コンサルタントになるには、一人でクライアント先に訪問して、やり取りできるか。
「プレゼンテーション力」と「コミュニケーション力」がキーワードですね。
わかりやすい基準でした。
自分の場合、覚えているのはアソシエイト時代に、マネージャーと訪問する予定だった会議に、マネージャーが急きょ別件が入ってしまい、自分一人で訪問したこと。
ビルの1階で待っていたら、電話があり、「ごめん。よろしく。」的な感じでした。
焦りましたが、資料もほぼ自分で作っていたので、何とかなるだろう、と腹を括ってエレベーターを上がった記憶があります。
これを機に、一人でも問題ないね、ということで一人で訪問する機会が増えていきました。
③ クライアントが満足している
人事のコンサルティングはプロジェクトの成果が短期的に見えるものではないので、顧客満足で成果を確認していました。
その満足の最高評価は、クライアントからのリピートでした。
幸せなことに、スキル不足だった自分の「姿勢」を評価してくれたクライアントからリピートを頂き、さらに自分のアサインを指名してくださいました。
これは、明確に「成果」が昇格条件として見られていたと思います。
今でも、このプロジェクトのことはよく覚えています。
めちゃくちゃ大変だったので。
トラウマになるくらい、失敗も重ねました。
助けてくれた先輩には感謝しかありません。
昇格条件に「納得感」があった
この納得感が、何よりも大事だということは、自分の経験からもよく分かります。
結果、「何をすればいいか」という努力の仕方・方向性がクリアになり、コミットできました。
ロジックとしても分かりやすかったので、当時の光景をよく覚えています。
もう15年ほど前になりますが。