【Q1】人事評価と等級評価(等級判定)は、何が違う?
【A】対象とする期間が違う
人事評価と等級判定の基準が異なることはもちろん、ポイントは「期間」。
評価期間は設計次第だが、多くは6ヶ月。
この6ヶ月間の成果や行動を基準に照らして評価するのが、評価制度における人事評価です。
一方、等級判定は入社後すべての期間を踏まえて等級を判定します。
人事評価はボラティリティが高い、等級判定はボラティリティが低い、ともいえます。
【Q2】何に基づいて、目標設定する?
【A】等級要件、会社の目標、本人の強みとやりたいこと
will/can/must で整理すると、等級要件と会社の目標が must 、本人の強みが can 、本人のやりたいことが will です。
会社の目標は、Vision や Mission だと抽象度が高いため、毎期定められる全社目標や部門目標を使うことが現実的かと思います。
【Q3】自己評価はある?
【A】Yes
会社が期待する成果や行動に対して、自ら振り返りを行い、期待の理解や自身の成長を促すことを目的に、自己評価を実施します。
【Q4】メイン評価とサブ評価の違いは?
【A】メイン評価が最終評価として報酬決定に反映、サブ評価はメイン評価のサポート役
サブ評価は、メイン評価者が見えていない部分をサポートする役目です。
よって、サブ評価が被評価者の最終評価に直接反映されることはありません。
【Q5】メイン評価者が評価を決定する?
【A】No
メイン評価者は、被評価者の最終評価を提案する権限をもっています。
最終評価は、評価会議で決定します。
担当取締役が最終決定することもあれば、全メイン評価者の合議で決定することもあります。
メイン評価者が単独で評価を決定することはありませんが、会社としては、被評価者と1on1をやっており、一番近くで被評価者を見ているメイン評価者の評価が最も信頼できると考えています。
【Q6】評価会議では何をしている?
【A】全被評価者の評価結果、全社/部門別/評価者別の評価傾向を確認し、必要に応じてメイン評価者に説明責任を果たしてもらっています
メイン評価の結果や自己評価との乖離をチェックしたり、全社/部門別/評価者別の評価傾向を確認して、前期や前年との違い、評価の甘辛の有無を見ています。
会社として評価に違和感・不明点があれば、メイン評価者に説明を求めています。
このプロセスを経て、全被評価者の評価を決定します。
【Q7】中間評価は、報酬決定に反映される?
【A】No
報酬決定は、中間評価ではなく、期末評価の結果を用いて実施します。
中間評価は、評価期間の半分が過ぎたタイミングで実施する評価です。
期末評価で自己評価とメイン評価に乖離(サプライズ)が起きないようにするため、早めに認識合わせします。
できている部分と足りていない部分を、きちんとフィードバックしてお互いの認識を合わせ、残りの期間で期待を果たせるように方向付け・動機付けしていきます。
【Q8】評価結果に納得できない場合は、どうすればいい?
【A】メイン評価者と話し合い、それでも納得できない場合は、人事に相談してください
基本は、メイン評価者との評価面談の中でお互いの意見を交換してください。
相手からのフィードバックに感謝し、まず受け入れ、その上で自分の意見を述べます。
それでも被評価者として、まったく納得できない場合、人事に相談してください。
人事よりメイン評価者にヒアリングした上で、ネクストアクションを検討します。
【Q9】行動評価の評価記号で「自然に体現できている」と「体現しようとしている・試みている」の主な違いは?
【A】評価基準にあたる取組みが日常的に行われており、メイン評価者から見て「期待される行動」に再現性があるといえるかどうか、が主な違い
メイン評価者が、被評価者の行動を見て、メイン評価者の主観で判断するのが行動評価です。
行動を見ずに評価することはできません。
そのうえで、評価基準に定められている「期待される行動」が日常的に行われており、自立的に再現性をもって行動できると判断できる場合、「自然に体現できている」と評価できます。
一方、被評価者の行動に対して改善要望をフィードバックしたり、指示・指導する機会があり、自ら再現性高く行動できるとはいえない場合、「体現しようとしている・試みている」と評価します。
定量的に判断することはできないため、メイン評価者の評価スキルに依存した評価であることを前提に進めます。
【Q10】成果評価の評価記号で「satisfactory」と「excellent」の主な違いは?
【A】複数の目標がある中で、被評価者に最も期待する主要な目標の達成度、が主な違い
評価期間において、被評価者には複数の目標が設定されます。
その中でも、最も大事な目標(「主要な目標」と呼びます)があると考え、その目標がどれほど達成(実現)できていたか、が評価に繋がります。
もちろん、主要な目標以外の目標に対しても全般的に過不足なく実現できることも求めます。
また、その主要な目標については、期初もしくは中間評価までに達成基準を被評価者とメイン評価者で握り合うことをおすすめします。
例えば「これぐらいできていれば satisfactory 、ここまでできれば excellent 」といったコミュニケーションです。
この達成基準が握れていないと、被評価者は「ここまでやったので excellent だと思っていた。。。」と高い評価にも関わらず、評価のサプライズが起きてしまうこともあります。
釈迦に説法ですが、肝は評価のタイミングにあるのではなく、期初の目標設定と期中における擦り合わせにあります。