バリューを浸透させるために、どのような取り組みをされているでしょうか?
評価制度、表彰、1on1、行動基準の言語化、Slack のスタンプ、バリューブック、など各社で様々な取り組みが進んでいると思います。
自分が人事制度を設計する際、、評価制度にバリューに反映させる「型」があり、中間評価・期末評価の年4回の評価の機会を使って組織的にバリュー浸透を図っています。
ただし、評価だけでなく、日々の1on1も使ってバリューについて考えたり、フィードバックできるとより高い効果が期待できると分かりました。
今回は、その1on1ですぐに使えるスクリプトの紹介です。
そもそもの課題意識
中間評価や期末評価における評価会議で、評価者から「成果に関する評価は、期中の1on1でフィードバックできていたが、行動面、特にバリューに関するフィードバックはできていなかった(抜けていた)」という課題を共有されることがありました。
自分が過去に設計した1on1スクリプトでは、目標を振り返り、課題を見つけたり、対策・改善を考えるスクリプトは用意していました。
しかし、評価制度に連携させたバリューを振り返るスクリプトはなく、評価者に任されていました。
バリュー体現の評価でサプライズが起きるほどの課題ではないものの、バリューを組織に浸透させるために、もう少しできることがあるのでは?という意識が評価者にはあったようです。
仕組みとして何かできることはないか。
この課題意識から、1on1での対策を考えました。
1on1スクリプト
すぐに活用できる1on1スクリプトを紹介します。
1回の1on1で、すべてのスクリプトを使うのではなく、相手に合った(必要な)スクリプトを選択してください。
相手の能力レベルによって「使える・使えない」が変わってきます。
なお、バリューを連携させた評価については、こちらが参考記事です。
『バリューを、評価制度にどう組み込む?』
1. 前回の1on1以降で、自分がバリュー体現できたことは?
2. 周囲のメンバーでバリュー体現できたことは?
3. メイン評価者について、バリュー体現できたことは?
4. 「体現しようとしている」のバリュー評価の結果を「自然に体現できている」にするには?
5. 今取り組んでいる目先の仕事で、バリューが体現された姿とは?
6. このバリューのBad事例(よくない事例)って何だろう?
7. (Slackでバリューのスタンプが押されているメッセージを探して)これって、どんな点がバリュー体現として認められているんだろう?
8. バリュー、すべて暗唱できる? ※暗唱できなかったバリューについて上記1-7を聞いてみる
時間にして、短くて5分、長くても15分のイメージです。
やり始めの頃は、相手からすぐに意見が出てくることを期待しないようにします。
「わからない」「思いつかない」といった状況に対して、1on1で聞き役となっているメイン評価者から少しヒントを与えたり、考えるキッカケをつくってあげましょう。
Slack でバリューのスタンプが定着している会社では、バリューのスタンプが押されているメッセージをキッカケにして話を進めるのが簡単で、おすすめです。
Slack のテキストは、バリュー浸透のネタの宝庫です。
組織拡張のフェーズまでには運用を開始したい
組織拡張のフェーズ、言い換えるとメイン評価者の人数が増える時期までに、この1on1スクリプトが運用できている状態をつくることが理想です。
被評価者の立場で、このスクリプトを投げかけられ、その経験を経た被評価者がメイン評価者になるとスクリプト運用がスムーズに定着していきます。
成果の振り返りやフィードバックは、人事制度を運用すれば自然と強化されていく傾向にありますが、バリュー(行動)の振り返りやフィードバックは見過ごされがち。
スクリプトであれば、既に運用されている1on1の中で、すぐに取り込めるので、まずはお試しいただければと。