組織を変えても、課題は解決しない

組織再編を考えている際に、ふと思い出して読んでもらいたい。

そんな気持ちで書いてみます。

 

なぜ、組織を変えるのか

機能別組織、事業部制組織、マトリクス組織など、組織は多様です。

機能別組織からスタートして、事業部制に移行するか否か。

多くの成長企業で検討するテーマとなります。

 

重要なのは、課題の設定です。

当たり前であり、「わかってるよ」と思うケースほど、課題の設定が実は不透明であることが多い。

それが組織を変えるという行為です。

 

また責任者の不透明も起きがちです。

誰が組織設計を責任をもってリードするのか。

忘れずに決めていきましょう。

 

組織を変えても、課題は解決しない

組織再編の話が出てくると、関係者の意識は個人の「配置」に終始します。

だれを、どのポジションにつけるのか。

反対に、だれがどのポジションから外れるのか。

ポジションから外れる話が出てくると、実際にできるのか?外れた後どうするのか?報酬水準は?周囲からどういう風に受け止められるのか?といった生々しい悩みに向き合います。

このとき、とても仕事をしている気分になりがちですが、本質的な課題とは大きく乖離することになります。

インパクトの観点でいえば、「小」です。

しかし、リソース(時間と気持ち)の観点は「大」になりがち。

そもそもの課題設定に対する意識が薄らぎ、バイネームの動きに気持ちが引っ張られてしまいます。

 

なぜ、組織を変えるのでしょうか。

 

権限を委譲したい。

権限がない、という声が出ている。

責任を持たせたい。

各部門・事業の責任を明確にしたい。

レポートラインが歪になっている。

組織間の調整・連携に時間がかかる。

採算の意識を高めたい。

 

いろいろな意見が出てくると思いますが、その課題、本当に組織を変えることが解決策でしょうか。

組織を変えることで一部改善することはあるかもしれませんが、組織を変えなくても解決する課題ではないでしょうか。

 

何度反芻(反論)しても、組織を変えた方がよいという結論であれば、組織を変えることが必要かもしれません。

ただし、組織を変えることが前提となっていると、この自分たちで反論することが難しく、出来レースになってしまうので注意が必要です。

 

実行の判断を下すと引き戻せない慣性が働くのも組織の変更です。

関係者が多く、変な期待が組織再編には絡むので後戻り、前言撤回がやりにくい。

アジャイルが得意でも、組織には当てはめることが難しい。

ロジックだけでは動かない生き物のように感じます、組織は。

 

課題は?

何度も言います。

課題は何か?

組織を変える理由(課題)とは?

本当に組織を変えることで課題は解決する?

 

「もちろん組織だけで課題解決するわけではない。組織も解決策の1つ」といった反論に惑わされてはいけません。

「組織を変えない限り、この課題を解決することは不可能」ぐらいの気概がないと、組織再編は多くのキーパーソンを舞い込んだ無駄仕事になります。

 

今の課題は何か。

なぜ組織を変えると、その課題が解決するのか。

今やるべきか。

誰が責任者(意思決定者)か。

 

厳しい判断もせざるを得ないのが組織に手を加えることです。

そのときに必要なのは、共通認識化できる重要な課題です。

課題がなければ、組織を変える必要はありません。

権限を無駄に使うと、権限のパワーが増殖していき、いつのまにか権威主義的な空気ができてきます。

 

とにかく、課題を言語化してみる。

シンプルに考え、シンプルに設計する。

できているつもりで、できていないことが多々あるので注意深く向き合うことが大切です。

 

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