スタートアップにおける人事制度の “Why”

自分がクライアントとともに設計してきた人事制度の Why を言語化しました。

まだ粗々ではありますが、アウトプット優先で、今後のたたき台にしていきます。

 

急成長を目指している

だからこそ、即戦力/一人前のAクラス人材を経験者採用(中途採用)で集めます。

新卒採用は、余裕ができたら実施します。

優秀なAクラス人材は、全員が高いパフォーマンスを目指し、全員がS評価を取得する気概で仕事に取り組みます。

相対評価ではなく、絶対評価で全員の高評価を可能にし、全体の年収を底上げしていきます。

人材育成を否定するつもりはありませんが、初期フェーズは「人材育成」よりも「成長支援」の意識を強く持ちます。

前提条件として、自己成長する意欲を持った人材が必要です。

 

変化に機敏に対応する(チャンスを逃さない)

変化に対応するために、他者への影響力を重視し、全社員に求めます。

影響力とは、リーダーシップのことです。

リーダーシップはリーダーだけの専権事項ではありません。

また、ヒトへの情で意思決定が遅れないように、ぶらさないようにしなければいけません。

厳しい判断も、ときには必要です。

そのとき、情けに負けて自身を正当化することがないよう、制度もサポートします。

具体的には、降格や降給などイレギュラー的な扱いではありますが、いざというときに意思決定できるようにします。

調整給や降格アラートなどの激変緩和措置が制度化されます。

そして報酬は「実力・貢献」だけでなく、「市場価値」を反映します。

前者が社内視点であり、後者は社外視点です。

市場は常に変化します。

需要と供給による希少性が、人材・職種の報酬水準に影響を与えます。

内向きな制度・運用では、市場の動きに迅速に対応できません。

市場を強く意識した報酬制度が求められます。

 

長期で働ける環境と新陳代謝の両立(矛盾のマネジント)

長く働くことは「是」と考えています。

経験が蓄積され、知見・ノウハウへと昇華し、暗黙知に進化します。

最低でも10年は働いてほしい、という個人的な意見もあります。

ただし、終身雇用でも年功序列でもありません。

実力主義です。

実力主義を徹底できる制度設計を進めます。

年齢や経験は関係ありません。

実際のところ、経験とともにパフォーマンスの質が向上することは否めませんが、若くてもパフォーマンスが高ければ、その貢献に見合った処遇を提供します。

年功とは、「年の功」ではなく、「年と功」です。

そして、キャリア開発の主体は明確に本人です。

会社は機会を提供(提案)する立場であり、キャリアを決める・つくる立場ではありません。

本人(個人)が選択を積み重ね、キャリアを構築します。

自分の頭で考え、自ら選択し、自分の人生をつくっていきます。

 

これができずに自律・自走はあり得ません。

会社の提案を断るのも良し。

会社に提案するのも良し。

思考停止に陥らず、常に自分の頭で考え続けます。

 

これがスタートアップにおける制度設計の前提です。

 

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