スタートアップ企業に絞った人事コンサルティングを生業にしています。
売上を増やすプロセスをメモします。
①数をこなす
前職でスタートアップの経験は少なかったため、独立後にたくさんのプロジェクトをこなしました。
制度設計のゼロイチプロジェクトを4本並走したこともあります。
もちろん、労働時間は伸びました。
必死だったので、あまり気になりませんでしたが、今の体力でそれをやるのは困難だと思います。
数をこなそうと初めから意図していたわけではなく、当時は紹介メインだったので、紹介いただいた仕事は、とにかく対応する方針で仕事をしていました。
②サービスの幅を少し拡げる
人事制度を設計した後の運用業務についてサポートを依頼されました。
前職で1件だけ対応したことがあるニッチな仕事です。
運用と聞くと簡単に聞こえるかもしれませんが、そこそこ難易度が高い仕事です。
人手が足りないから、という理由で請け負った仕事でしたが、数をこなすうちにオペレーションに磨きがかかり、自信をもって「これは価値の高い仕事である」と言えるようになりました。
③リピート重視
新規クライアントの営業よりも既存クライアントのリピート重視です。
自分の場合、過去は新規を捨ててましたし、これといった営業活動もしていません。
紹介のみで事業を成り立たせていました。
新規を捨てた理由は、自分が「営業」は不得意だからです。
諦めたわけではありませんが、限られたリソースの中でどういう順番でやっていくのか、その順番を考えたとき、新規営業は後ろになったというわけです。
④単価を上げる
経営に少しの余白ができ、提供価値の量・質が上がったところで単価を上げました。
「上げた」というのは1回切りではなく、常に上げるタイミングを見計らって調整しています。
上げて、少し下げた(以前に戻して)、また上げて、の繰り返しです。
同じ量・質で単価を上げるのは、自分の納得感がないので、量・質の変化を自分で評価して、単価に向き合っています。
特に質の部分です。
原材料はありませんし、世の中の物価も関係ありません。
自分が納得できる「質の向上」が認められれば、単価アップです。
クライアントの便益も上がると考えています。
⑤アウトプットを標準化する
人事制度や運用オペレーションを標準化して、効率を高めます。
正解のない企画領域に、自分なりにポジションを取って、提案をまとめます。
議論の余地が少ない箇所もショートカットできるようにしました。
標準化したアウトプットを使い、プロジェクトの数をこなして、さらに精度を上げていきます。
ベターなプラクティスを何度も試し、微修正を加えていくと同時に、イレギュラーケースの引き出しも増やします。
標準形があるからこそ、思考スピードも上がります。
⑥発信(マーケティング)
知見が溜まってきたところで、本当に役立つ情報をブログで発信しました。
ここに達するまで7年かかりました。
理由は3つ。
① 知見が少なかった
② プロジェクトが忙しく、ブログを書く時間がない
③ いくらでも先送りできる
よくこういう文脈で、とにかく書くことが大事、みたいな意見もあります。
わかる部分もありますが、他の情報との違いを自信をもって主張できるまでは、書いたとしてもアウトカムにはつながりにくいと思います。
自分の成長や記録には役立ちますが、他者にとって役立ちません。
自分の場合、本当に運よくブログが出版につながり、マーケティングとしてのアウトカムにまでつなげることができました。
⑦プロジェクトを標準化する
プロジェクトの標準形(軸)をつくり、クライアントとの付き合い方、スタンス、期限について自分なりの考えを言語化します。
もちろん、プロジェクトは思った通りには進みませんが、軸があることで自分の中でのブレや悩みを減らすことができます。
プロジェクトを標準化できると、量、質(単価)だけでなく、回転率を指標にすることができます。
- 売上=量 × 単価 × 回転率
ここまで来るまでに10年かかりました。
粘って、粘って、負けない試合をしている感覚です。
オフェンスよりもディフェンス。
リスクヘッジです。
ただし、ピンチこそチャンスだし、いざとなればリスクテイクする。
この差配を感覚でやってきたからこそ、スケールアップはしません。
できないことも意図してやらないと決めれば、戦略になり得ます。
弱者の戦略ですが、自分には適していると思います。