評価制度を運用していると、現場で、こんな質問(問い)を受けることがあります。
「どうすれば、最高評価は取れますか?」
最高評価を取りやすい仕事と取りにくい仕事
例えば、セールス職は営業数字を目標の2倍、3倍と残せば、最高評価になるかもしれません。
延長線上で考えることができるし、難易度の観点でも違和感はないかもしれません。
一方で、人事企画職は?プロダクト開発職は?法務職は?カスタマーサポート職は?
最高評価が取りにくい仕事(職種)があるのも、わかります。
セールス職と比較して考えると、より鮮明に「どうすれば、最高評価は取れますか?」と聞きたくなる気持ちもわかります。
制度を設計する立場であれば、この問いに対して誠実に向き合うことは必要だと思う一方、イチコンサルタントとして向き合うと、本当にこの問いに対応してしまっていいのか、と悩む部分はあります。
最高評価に値する「価値」を考え出せるから、最高評価を取れる
この問いに対する、やや斜めからの仮説は、最高評価に値する「価値」を考え出せるから、最高評価を取れる、です。
どうすれば、最高評価を取れるのか、と質問しているレベルでは、その最高評価に値するレベルではないのかもしれません。
会社・評価者側の期待に沿った成果が標準評価に値する場合、期待を大きく超える成果が最高評価です。
つまり、評価者側が想定できなかった期待を残してこそ、最高評価になります。
もしくは、無理だよね、と思ってしまう成果に対して、想定外のアプローチと執念でやり切ってしまうなど、予定調和ではない動きが必要になると思います。
とすると、「どうすれば、最高評価は取れますか?」と聞いている時点で、最高評価への道のりは難しいのかもしれません。
評価なんて気にしないヤツが最高評価になっていたり、いなかったり、、、
書いていて、自分の考えも陳腐だなと自虐的に思ってしまうのですが、結論、評価なんて気にしないヤツがインパクトある成果を残しているんだよなーとも思ったりします。
評価の枠組みなんて気にせず、与えられた高いハードルを乗り越えたり、そもそも誰も見つけられていなかった深い課題を発見して、アプローチしていくような存在です。
こういう人材が適切に引き上げられて、適正な評価を受けるスタートアップは強いと思います。
大手企業になれば、こういう異端は上長にパトロン(異端の能力を見出し、機会を提供できる経営人材)がいないと、容易に虐げられてしまいます。
こういう異端の人は、尖っていて慇懃無礼なくらい猪突猛進なハンターみたいに言われたり、イメージされるかもしれませんが、自分の見え方だとまったく違います。
誠実です。
人・組織に対するインサイトも深いので、礼節を欠くことは少なく、信頼されています。
とすると、また一周回って、結構、戦略的に考えているのかな。
自分のその手の上で踊らされているのかもしれません。