評価会議、なかなか進行が難しいです。
あらさがしになってしまったり、相手の評価提案を否定するだけになってしまったり、何も意見が出てこなかったり、オーナーの一声(好き嫌い)で決まってしまったり、、、
また、部署間で評価の甘辛があるかもしれないと感じていても、どう切り出せばいいかわからず、そのまま流れてしまうケースも。
今回は、部署間での調整方法について書いてみます。
部署を評価して、個人の評価分布と比較する
評価会議で議論の対象になるのは、まさに人事評価の対象となっている人です。
その人の評価の妥当性・信頼性を確認するために、部署の評価と比べてみます。
同じ部署を人(法人)とみなして、その部署の成果を定性的に(エイヤーで)評価します。
これは経営の役割です。
次に部署の評価分布を出します。
その分布と部署評価を比べてみて、部署間でギャップがないかどうかを議論します。
部署の評価が良いのに、個人の評価の分布が低い傾向にあったり、その逆のケースがあるかもしれません。
このギャップに対して部署の責任者・評価者に説明を求めていきます。
評価が高い(低い)と決めつけないように注意しましょう。
時系列で見ると、よりギャップの存在や意味合いについて材料も増えてきます。
高評価者(ハイパフォーマー)を比較する
評価者の評価の甘辛を見る際、誰を見るか、が重要です。
高評価者を見ましょう。
人数も少なく、論点も絞りやすいはず。
どういう成果や貢献で高評価にしているのか、を評価者に説明していただきます。
そのとき、評価者間で評価の目線にズレが見えたら、それを改善していきます。
このタイミングで評価を覆すことは難しいと思います。
このような場合、得てして(そもそも)目標設定に問題があり、期待水準に不足があったりします。
なので、評価は変更せず、次回以降、同じことが起きないように周知を図っていきます。
目標設定のタイミングでレビューの仕組みを入れたり、全社目標の周知のときに期待水準を伝えたり、多面的からアプローチしていきます。
被評価者にも、次回以降はより高い目線を求めていることを評価者からフィードバックしてもらいましょう。
総合点で全社員を序列化して、違和感をチェック
評価点がある場合、点数で高評価者から低評価者までを序列化して、上下で比較して「この人がこのポジション(評価の序列)にいるのは違和感あるかも」「この人の評価が低い理由は?」と議論のキッカケをつくります。
上からゆっくりと時間をかけて、評価結果を眺めていきます。
小さな違和感があればコメントしてもらうように依頼をします。
ただし、他部署の評価を否定するような敬意のない発言やコメントはご法度です。
このようなセンシティブな議論の中で、慇懃無礼な態度でのぞむ方もいますが、これはキャラクターであったとしても「No」とフィードバックすることが大事です。
評価調整が上手な会社は、引き上げる視点を忘れていません。
「この人、すごく活躍していたけど、この評価でいい?(もっと上げなくて大丈夫)」といったパスを出してくれます。
評価者が意思を持って、その評価にしている場合、感謝とともに次回はしっかりと成果を出せるようやっていきます、と強い気持ちを表明してくれたりします。
ただ、評価を下げることを狙いにした評価会議だと参加者の方々も怯えてしまい、全員が空気を読む事態に陥ります。
と考えると、評価調整の背景・目的を冒頭でしっかりと共有した上で議論を開始できるかどうかも「うまい運営」に影響することがよくわかります。