加藤俊徳さんの『老害脳』を読みました。
「自分が老害になっているかも」と感じることがあり、「老害」というワードに興味を持ったのは去年。
たまたま書店で見つけた本から、多くのことを学べました。
自分なりに整理します。
ざっくり要約すると
- 老害とは「出る杭を打つ」ようになる
- なぜなら、新しいことを否定して、これまで(の自分)を肯定することで自己肯定感を得るため
- 自己肯定感を得ることは人間の本質的な欲求であり、抗うことは難しい ※本に書かれていたわけではなく、自分の仮説
- 自己肯定感を得るために、シンプルに自分で自分をほめることに効果がある
- それ以外に、新しいことに自ら挑戦したり、新しい情報に自ら触れることで、まったく知らないことを減らす(知らないと反発してしまう)
- 経験値や成功体験の蓄積は、「(自分勝手な)倫理観」の強化に(勝手に)繋がっていることを認識し、倫理観を押し付けないように注意する
- ルーティン・習慣の良さ・強さは理解して実践する一方で、こだわり過ぎると現状維持を無意識に肯定してしまったり、変化することに反発を覚えるようになるので注意する
です。
キーワードは「自己肯定感」
本では、老害を以下のように定義しています。
- 年をとった人が若い人の自由な活動を妨げること
さらにわかりやすくいえば「出る杭は打たれる」です。
そして、老害になる原因を「脳」からアプローチしたのが本書です。
読んで思ったことは、シンプルに「自分、リスクあるな」ということ、そしてキーワードは「自己肯定感」だということ。
年を取ると経験が増えていき、過去の成功体験も蓄積されていきます。
その経験を使ってショートカットできるようになります。
また経験値が自身の「倫理観」と結びつくことで「かくあるべし」といった頑固さになっていきます。
世間・時代は常に変化するため、その状況に新しい風が吹き込むと、自己肯定感を維持するため、相手を否定する判断・行動に移ります。
これが老害です。
たとえば、昔の自慢話をするのも、自己肯定感を得るため、ということです。
著者の経験によると、脳の老け(中年)は45歳ぐらいから始まるようです。
42歳の自分は、まさに今後、脳が老け始め、老害脳になってきます。
というよりは、もう既に始まっているようにも感じます。
そう思った背景に「老害進行度チェックテスト」があります。
老害進行度チェックテスト
10の質問で老害進行度を測ります。
P114より引用します。
- 人の話を聞くより、自分の話をする方が多いと感じることがある。
- 自分の成功体験を年下に押しつけがちになる。
- AIやデジタルツールなど最新の技術を使うことに抵抗を感じる。
- 新しい音楽や映画を楽しむことが少なくなっている。
- 最近のニュースやトレンドに関心を持たなくなってきた。
- 自分と異なる意見を言う人に対して、ついイラっときたり、反発しそうになる。
- 人にものを伝える時、口調がきつくなったり、汚くなったりすることがある。
- 年下と会話していて、ジェネレーションギャップを強く感じることがある。
- 自分の外見への関心が薄れ、洋服や美容ケアなの支出が減っている。
- 新しいことを始めようとするのが、おっくに感じる
診断結果として、1~2個なら問題なし(油断は禁物)、3~5個は老害の影が見え始めている、6~8個は老害の兆候が見られる、9個以上で老害を周囲に与えている可能性あり、となっています。
やや厳しめの自己診断をすると、6個ぐらいに当てはまるように感じました。
要するに老害の兆候が見られるということです。
やばい。。。
老害脳を予防するため、自分なりに整理した7つの行動
本の中では、脳の老化スピードを遅らせて、老害脳を予防する方法が書かれています。
自分なりに意識しようと思った点のみ、抜粋・整理しました。
次の7つです。
- 「この道一筋」ではなく、色々なことをやってみる
- 自分で自分をほめる(自分のいいところを10個リストアップしてみる)
- 外見に気を配る(新しい服を買ってみる・「よそいき」の服を着てみる)
- 新聞や雑誌を読んで、知らない情報・興味の薄い情報の触れる
※一方で情報を選別して遮断することも大事なのでバランスが重要 - 丁寧な言葉をつかう
- 家族以外の人と話す(家族以外の人の声を聞き、聴覚を刺激する)
- 昔ハマった趣味をアップデートする
1‐2年前から、どうも自分の身軽さが弱まってきたかも、という懸念を感じるようになってきました。
変化に疎くなっていたり、自ら変化する機会を避けたり、といった感覚です。
ちょうどそのタイミングで、住む場所を変えて移住しているので、問題視するほどでもないのかもしれませんが、どうも自分の中では別の問題であるように感じていました。
正直、忙しさ、体調不良、そして厄年の3年間(前厄・本厄・後厄)だったと雑に正当化しているのですが、それもあながち間違いでもないと思うようになりました。
ちょうどこの年齢(40‐42歳)に色々な出来事が重なったり、心身の疲れがたまったり、とガタがくるのは不思議なことではなく、自分の周りからの変化や影響も強く受けています。
そんな時期を過ごし、今を感じながら振り返ると、このままのペース・気分でやっていくと老害脳への進行速度がはやくなっていきそう、と健全に危惧できました。
ここ1‐2年のモヤモヤを整理するために、ちょうどいい本だったようです。