様々な組織を見てきて、共通項を考えてみました。
① 上長への不満
例えば、課長(マネージャー)が辞める場合、上長である部長(シニアマネージャー)や本部長(ゼネラルマネージャー)に不満を持っているケースがあります。
人間性よりは、能力に対する不満です。
部長としての戦略立案や実行力、巻き込み力が不足しており、「これじゃ戦(いくさ)にならないよ」と課長が思っているケースです。
経営における配置の問題ではあるのですが、経営にとっては「やりやすい」方を部長に据えているので改善しようとするインセンティブは弱く、ほとんどが後任もいない状態です。
ゆえに、課長は将来に絶望を抱き、退職していきます。
このクラスは、採用市場からも声がかかりやすいので、思いのほかサクッと辞めていってしまいます。
ちなみに、ジュニア層はやめません。
部長や本部長の能力を見極めることはできませんし、人間性の方で魅力を感じていれば、会社への忠誠心は上がっていきます。
② 経営陣の働き方(相変わらずの長時間労働)
夜遅い時間に会議することが普通になっているケースがあります。
経営陣は、自分が「見られている」ということを意識しなければなりません。
ワーカホリックでも構いませんが、遅くまで仕事していることは、あまりバレずにやりましょう。
働く時間に無頓着な経営陣を見た中堅社員やミドルマネジメントは、ライフステージの変化に伴い、「ああいうの、きついなー」と感じています。
善悪で考えることではなく、感情としてネガティブに捉えるのです。
経営陣はそんなことありません。
自分の会社ですし、時間を投資することで、それ以上のリターンが入ってくるわけですから。
ここには明確なギャップがあります。
これを意識していないと、長時間労働が「美」と訴えてくる組織に(いつのまにか)変化していることがあります。
長時間労働を完全に否定するつもりはないのですが、仕事以外にやることがなく、家族も犠牲にしているように相手から見えてしまうのは、NGだと思います。
そんなこと各自の勝手でしょ、は正しい意見なのですが、事業・組織を成長させていく場合、そうとも言えません。
感情に鈍感な経営陣には限界があります。
ちなみに、こちらもジュニア層はやめません。
ライフステージも「ひとり」が中心になり、今は労働資本への投資ステージだと考えているからです。
許容できる長時間労働は、自身の労働資本を高めてくれる環境であり、ポジティブに受け入れるケースが多いです。
③ 仕事が楽しくない
わりに幼稚な理由ゆえ、やや驚くかもしれませんが、仕事を楽しめているかどうかは重要です。
中堅やミドルになればなるほど、本来は仕事が楽しくなってきます。
勝手がわかるようになり、裁量も増えて、成果も出せる。
しかし、マネジメントがうまくない組織では、中堅やミドルの裁量が少なく、成果も出せない、もしくは自分が出していると感じられない状況になっていきます。
つまり、与えるミッションに対して本人が自律的に工夫してやれる余地が少なかったり、ミッションの難易度が高過ぎて無理ゲーになっていたり、戦略が描き切れず出たとこ勝負だったり、といった感じです。
また、これも無意識なのですが、中堅やミドルの成果を上長が横取りしているケースもあります。
本来は、中堅やミドルにチャレンジさせたり、伴走しながらも本人がやり切ったと思えるように道をつくっていく必要があるのですが、上長が全部いいところを持って行ってしまい、名声を一手に引き受けています。
「やっぱり、あの人はスゴイよね」「業界でもトップレベルだよね」と言われる上長・経営陣であり、「あの人のおかげ」とは言われません。
こういう職場では3年ぐらいは「学び」の観点で耐えれるものの、「いや待てよ、この先5年、10年とこれが続いていくのは、どうなんだ」と気づき始めると退職への動きに繋がっていきます。
もちろん、人間関係に問題があったり、給料の低さを理由に退職していくケースもありますが、比較的原因はわかりやすいし、対策を実行するのも意思と実力次第です。
給料上げようと意思を固め、あとは技術と工夫で対処すれば一定の対策になります。
一方で、上長への不満、経営陣の働き方、仕事が楽しくない、は自浄作用が働きにくいテーマであり、気づきに至りにくいのが現実です。
経営陣の右腕も、同じスタンスで働き、経営陣から評価されてきた方だと、どうしても「今」や「上」を正当化しがち。
しかし、そのスタンスでは、いざ自分が経営の立場になった際、方針は示されないので自分の頭で考え、実行することができず、ピーターの法則にまんまとハマってしまいます。
このテーマは、自分にとっても悩ましい問題です。
どうフィードバックすれば効果を出せるか。
感情領域のテーマであり、ロジカルに話せば話すほど、理解はできるけど反発をもらいそう。
問いを通じて、自らに気づけるようにコミュニケーションを取るのが最善策かもしれません。