独立コンサルでは、顧客満足度を追い求めると単価は上がらない

コンサルタントとして顧客満足度を追求することのリスクを考えました。

 

顧客満足度とは?

顧客(クライアント)にとって心地よい価値を提案し、実行することで満足度は上がっていきます。

面倒な作業も厭わず、言われたままに対応すれば、顧客は満足してくれます。

この満足度を徹底すれば、リピートをいただき、長いお付き合いを実現することもできるでしょう。

クライアントファーストと叫べば、自分たち(コンサルタント)の大義にもなります。

 

しかし、Fee(お金)が絡むと話が変わってきます。

その満足度はFeeに対する相対的な水準です。

例えば、100万円で提供している仕事が普通の満足度とした場合、50万円に値下げして提供すれば、満足度は上がります。

「安い」という観点における満足度が急上昇します。

 

一方で、200万で提供すれば満足度は下がったり、そもそも契約できない可能性も。

満足度の観点が強いと、あくまでもFeeに対する評価となってしまい、値上げすることの難易度が高まってしまいます。

 

成果につながる価値を提供する

単価を上げるには、顧客満足度ではなく、経営・会社に対して成果につながる価値を提供することが必要です。

「インパクト」と言うケースもあります。

スムーズなコミュニケーションや技術提供でありながら、ときに改善・改革を伴う厳しい提案も求められます。

単なる批判にならないよう、相手の状況を尊重し、言葉を選びながら細心の注意を払ってコミュニケーションを取ります。

 

短期的には、心地よさは薄まるかもしれませんが、今までできなかったことができるようになったり、新しいことに挑戦できるように環境を整え、共に実行します。

満足度は、将来にやってきます。

「あのとき、やっておいて良かった」が評価に値する言葉です。

 

この関係性を構築し、クライアントの成長に寄与できれば単価を上げる機会をつくることができます。

クライアントが成長すれば、課題の複雑さは増すため、どの領域をやるか、という自身の決断とクライアントのニーズ・評価によって機会を拡げていきます。

 

アウトプットではなく、アウトカム

顧客満足度は、アウトプットでも獲得できます。

見栄えの良い資料や精緻な分析、自社の社員ではできないような提案ができれば、相手は満足してくれます。

しかし、その満足は一回切りで、やがて「慣れ」が生じていきます。

今までと同じことをやっていても満足度は上がらず、時間の経過とともに下がっていきます。

 

一方、状況や課題に応じて、アウトカム(成果)を出せば、信頼が増していきます。

「あの人に頼めば、何とかしてくれる(前に進めてくれる)」と思っていただくことが、信頼です。

この信頼は、アウトプットでは得られません。

成果にまでつなげることで、初めて信頼の領域に達してきます。

 

もちろん、キャリアの初期フェーズで努力、時間、気合いでアウトプットし、信頼を得ていくことはできるでしょう。

しかし、これでもどこかのタイミングで頭打ちになります。

かつての満足度が、「変化(成長)がないよね」というネガティブ評価に帰結してしまいます。

 

満足度ではなく、成果を追い求めると、ときに顧客との衝突も避けられません。

この衝突をいかに建設的に進めるか。

決めつけではなく、問いかけ。

相手を信頼し、相手が自分自身で気づく環境を提案することが大事です。

 

やってみないと分からないと言いながら、失敗するケースはほぼわかっています。

成功するかどうかは、やってみないと分からないのはたしか。

しかし、失敗するケースは初動を見ればすぐにわかります。

決めつけかもしれませんが、そこに無駄なコストをかけることは筋の良いやり方ではありません。

 

やや脱線しましたが、決めつけではなく、問いかけ。

ここが自分の中の気づきでした。

 

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