「いい人が多い組織」は、危険かも

科学的なことでも何でもないのですが、経験上、「いい人が多い」と自分たちを呼ぶ組織は、そこそこ危険だと感じています。

あくまでも経験上の話です、、、

 

「いい人」とは?

そもそも定義が曖昧な「いい人」。

自分の中では、謙虚な人、相手を尊重するコミュニケーションが取れる人、切磋琢磨できる人(専門性や能力が高い人)が「いい人」かな、と思うのですが、あまり当てはまらない人が多い組織でも、自分たちを「いい人」と形容する場合があります。

自分の価値観では「いい人」とは違う人を「いい人」と言っているだけだと思うので、あまり気にしないのですが、一緒に仕事をする立場だと厄介なので、フラグを立てるようにしました。

 

自分から見て、「いい人」が多い組織とは、表面的な優しさがある組織のように感じます。

率直なフィードバックがない、ときに厳しい指導がない、耳障りの良い話(ビジョン・ミッション系)が多い、働く環境が社員の希望通りに近い、といった特徴でしょうか。

要するに、ぬるま湯につかっている組織のようなイメージです。

 

短期的には心地よい組織ですが、局面が厳しくなると、急に人の本性が出るので、付き合いが厄介です。

 

高め合える人が大事

いい人であることに越したことはないかもしれませんが、スタートアップで必要なのは高め合うことができる人です。

自分の縄張りをしっかりと築き、他者・他部署との調整を表面的に済ませたり、必要なコンフリクトを避ける方々が多い組織は、規模が拡張すればするほど、組織運営が難しくなっていきます。

調整は、「いい人」だけではやっていけません。

もちろん、謙虚、尊重、敬意は必須ですが、その裏返しとして本音のコミュニケーションやフィードバックが入ってきます。

その結果として得られる「気づき」が、組織によってプラスの効果を及ぼすことは確かですが、短期的(瞬間的)には、ストレスはたまるし、面倒くさいことだらけです。

だからといって、このハードルを避けていると、表面的な関係性に長けた「いい人」の集団ができあがってしまうので、注意が必要です。

 

従順な人を「いい人」と勘違いしてはいけない

何でも言ったことに従う人が多い組織も「いい人」が多い組織になりがち。

従順な人が多く、その延長線で人を評価・育成するようになっていくと、いざ方針・計画を示す立場になったとき、うまくワークしない人が量産される懸念があります。

 

いろいろと考えると「いい人」という呼称は、百害あって一利なしなのかもしれません。

そもそもこのような表現は禁止してしまった方が手っ取り早い。

「いい人」なんていう価値基準を押し付けられることに、いい気はしません。

 

高め合える関係性があるかどうかこそ、見極めるべきかと思います。

 

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