役員貸付金

会社の現金(キャッシュ)を一時的に役員に貸すことができます。

役員貸付金について把握したことをメモ。

 

ざっくり言うと

会社(法人)から個人に一時的に資金を貸し付けることができます。

個人で突発的に資金が必要な場合、社外から資金を借りるのではなく、自社から借りるイメージです。

 

ひとり起業で役員貸付金のメリットは、判断と手続きが楽なこと。

社外の方(主に銀行)と交渉する必要はなく、パートナーである税理士さんとコミュニケーションすることで判断、実行できます。

そして、現在は金利が悪くないこと。

会社から個人に貸し付ける場合、個人から会社に利息を払う必要があります。

その際、金利を自分で決める必要がありますが、基準となる金利があり、実質的にその金利を適用します。

この基準となる金利は毎年決まるとのことですが、コロナの影響で低金利となっており、現在は「0.9%」が基準となっています。

 

なお、利息は会社によって売上になるため、法人税の対象となり、デメリットと言えます。

ただし、もし必要に迫られて役員貸付金を活用する場合、デメリットよりもメリットが上回っていると、個人的には感じます。

 

単なる役員報酬と指摘されないために

役員貸付金のリスクは、それが単なる役員報酬だと指摘されてしまうことです。

役員貸付金ではなく、役員報酬になってしまうと、その分、税金が発生してしまいます。

この事態を避けるためにも、当然過ぎておかしい話ですが、返済計画を立てて実行することです。

役員貸付金があるけど、返済されていなければ、それは役員報酬とみなされてしまってしょうがない話です。

そんな話あるのか、と思ったのですが、シンプルに返済できない場合がそれに該当します。

自己資金で対応できないから役員貸付金を活用するわけで(もちろん自己資金で対応できるケースに敢えて役員貸付金を活用する場合もありますが)、返済できないということもあり得ます。

 

そして、返済を考えるにあたり、大事になってくるのは期間です。

1年か、3年か、5年か、10年か。

役員報酬とみなされないようにするために、返済期間は短くすることが大切です。

例えば、会社から100万借りて、1年後に利息を付けて100万を返せば、問題はありません。

あとは、分割払いにすること。

月々、約8万3000円を払い、1年で完済できるようにすることです。

住宅ローンのように繰り上げ返済することも可能です。

 

なお、この分割払いをすれば、返済の意思表示となり、返済の実行も進んでいるとなるため、役員報酬とみなされる可能性が下がります。

この方法を使えば、返済期間を長くすることも可能だということです。

自分の中では、もしこの役員貸付金を活用する場合、月々払いで返済期間を3年から5年ぐらいまでで活用するイメージがあります。

 

いざというときが、いつ来るかはわからない

ひとり起業において、現金を蓄えておくことは大事です。

税金を払いたくない気持ちから、経費の無駄遣いをすると、将来後悔すると思います。

自分に必要な範囲で役員報酬を設定し、あとはもし利益が出れば税金を払って現金として蓄えておくことが、自分の方針です。

税金は、ルール。

無駄に税金を払う必要はありませんが、必要であれば支払うのみです。

 

現金は、いざというときに必要になるもの。

その「いざ」は、いつ来るかわかりません。

わかっていれば計画的に資金を貯めておくこともできますが、わからないこそ、一定のラインを引いてその範囲内で蓄えておくことが大事です。

 

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