『いかなる時代環境でも利益を出す仕組み』アイリスオーヤマ会長 大山健太郎

楠木健氏が「しびれるほど面白い」と帯で表する通り、しびれるほど面白かったです。

 

読書メモ(自分なりの要約)

  1. プロダクトアウトではなく、マーケットインでもなく、ユーザーイン
  2. ユーザーインと情報共有を徹底すれば、意思決定は誰が行っても同じになる(企業買収など例外あり)
  3. あの頃(昔・創業時)の強みは何か。それは若さ。仕事を断らない。技術力が上がり、信用力も上がる
  4. 「ピンチはチャンス」ではなく、「ピンチがチャンス」(ピンチこそチャンス)。ピンチにチャンスが回ってくる経営(準備)をしておく
  5. プレゼン会議:毎週月曜9時半から5時まで実施(50人近くが参加)
  6. マネジメントの根幹は「想像する」こと。ここにもユーザーインの発想がある
  7. 【引用】「実績」「能力」「360度評価」。これらの合計で点数を付けて、等級ごとに順位を発表します。例えば主任が100人いるとすれば、1番から100番まで順位付け。下から数えて1割の人には公表せず、一対一で伝えます。
  8. ワースト1割でイエローカード。イエローカードが2年連続で降格(レッドカード)
  9. 現状分析と課題解決を目的とした幹部研修会を、1、4、7、10月に実施(41年間で164回を実施。欠席は厳禁)
  10. ICジャーナルという日報で、毎日思ったことを提案しなければならない
  11. 【引用】夏冬ボーナス以外に毎年3月、主任以上を対象に決算賞与を出します。原資は営業利益の5%、等級に関係なく、各個人の業績寄与度で分配します。そして、この決算賞与内の範囲内で、アイリスの株式を買うことができる。50万円もらったら、50万円分まで株を買える。それ以外のときは、どんなにお金を積まれても株は売りません。アイリスの株式は私と長男でほとんど持っています。社員が買う株が足りなくなれば、社員持ち株会経由で一部放出するので、総株数に変化はありません。未上場企業なので、市況によって変動することもない。株価は、株主資本を株数で割った値です。利益を出して、内部留保を積んで、株主資本を増やせば、株価が上がる。だから社員は利益を上げようというモチベーションが働くわけです
  12. 【引用】もしあなたがいる市場が縮小しているなら、成長している市場に移らなくてはいけない
  13. 【引用】いかなる時代でもしっかりと利益を出すには、新製品を一定以上、持たなければいけない

 

感想

ユーザーインを読んだ際、昔読んだアスクルのケースメソッドを思い出しました。

今日でも明後日でもなく、なぜ明日なのか。

現場で発見したユーザーの日常からアスクルが発想されたストーリーです。

このストーリーは、自分のひとり起業の原点でもあり、ビジネスの原点でもあるため、アイリスのユーザーインからも学びが深かったです。

 

「ピンチがチャンス」もその通り。

これは常に意識しておかないと、チャンスを取り逃し、仕事をやっていて面白みがなくなってしまう。

ピンチこそチャンス。

 

人事領域では、降格や株式報酬の観点は実務的で参考になりました。

相対評価と絶対評価の文脈で、人事評価ではなく、等級判定に相対評価を入れるのは新しい発想。

仕組みで降格運用できるし、現実的に頻度の高いものでない一方で、適度な緊張感を提供することができることも期待できる。

個人的に、いい塩梅の制度に感じました。

また、未上場企業における株式報酬の方法として参考になるし、株に対する経営者のポリシーも垣間見えて、しびれるほど面白かったです。

 

創業時の強みを「若さ」と定義し、技術力や信用につながる話も本音で語られている点に強い同意を感じました。

成長するとは、どういうことか。

学びが深いです。

 

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