独立して10年(まで、あと3ヶ月ですが)で、できるようになったことがあります。
それは、クライアントに稼働工数もFeeも下げることを主体的にできるようになったこと。
以前は、契約更新のタイミングで次のフェーズで何をやるか提案する際、稼働工数やFeeを維持することを前提にして考えていました。
もちろんプロジェクトとして、やることがなくなり、クライアントからも明確に「終了」とお聞きしていれば、引継ぎを行います。
ただ、「次のフェーズもサポートしてほしい」という依頼はあるものの、具体的なミッションがない場合、自分で考え、提案していきます。
当然の役割ですが、スタートアップでは先回りしてやるべき仕事を見極めることは大事で、無駄な仕事を創ることはよくありません。
自分の懐事情を優先すれば、やれ教育だ、やれ研修だ、やれ組織だ、とテーマは上がってきますが、今本当にやる必要があるのか、をクライアントの目線で考えると、無理して今やる必要がないことは多々あります。
このとき、今は「いったん稼働を下げて、最低限の運用周りだけサポートします。事業優先でいきましょう。組織・人周りで問題が起きたら、もしくは起きそうならアドホックでやりましょう」と、主体的に提案できるようになりました。
また同時に「来年あたりでプロジェクトの稼働を増やす予定なので、そのタイミングになったら、また提案します」と添えます。
なぜ、こうした提案が主体的にできるようになったか。
独立後、10年間の活動の蓄積があるためです。
既存の仕事と新規の仕事のバランスを、ある程度自分でコントロールできるようになり、またクライアントの状況に寄り添ってクライアントファーストで自分の稼働を考えることができるようになりました。
あと、先回りしてやっておくべきことと問題が起きそうな組織フェーズになってからやった方がいいことの勘所も見えてきました。
後者の「問題が起きそうな組織フェーズになってからやった方がいいこと」は、あまり先回りしてやったとしても問題に対する当事者意識を醸成しにくいゆえ、議論が深まりません。
深い議論にならないため、いいアウトプットにもならないし、先回りして対処できるようにしたとしても実際に勃発した際に対処できないことがほとんどです。
であれば、組織拡張に合わせて機が熟したときに提案し、議論を深めた方が効率的で健全です。
この「出し入れ」・「押し引き」は、自分の「余白」の有無によって、できる・できないが決まってきます。
クライアント向けのJobは、仕事を始めたときから変わらず、誠実真摯に向き合い続けています。
ときにぶれるケースはあっても、基本路線は変わらず、人事マネジメントからのアプローチと現場主義です。
そして設計(プランニング)だけでなく、運用(インプリ)までカバーすることで、作って終わりではなく、本当に使える制度の設計と運用にこだわって向き合ってきました。
今は、この現場で得た知見をブログで発信したり、インプットによって知のレベルアップを図っています。
すべてはサイクルであり、循環です。
PD(受注活動)→Job(デリバリー)→R&D(標準化)→PR(発信)とプロセスを構築して、PDにつなげていきます。
この循環が「強く」なってきたがゆえ、稼働もFeeも主体的に下げる提案ができるようになってきました。
この流れは、この先も変えずにやっていきます。