独立後の営業について考える、得意でなくても何とかするしかない

僕は営業が苦手です。

断られるのも苦手だし、アピールすることも苦手。

そもそも関係性が無い(薄い)人とコミュニケーションすることも得意でないので、営業は不向きです。

営業が得意な方からすれば、「ポイントはそこじゃない」とか、「やり方がある」といったお叱り・アドバイスを受けそうですが、こんな僕でもなんとかやってくることができました。

振り返ると、とにかく考えて何とかしてきた、といったところでしょうか。

 

1年目は、前職で引き継いだ仕事1つと、前職のつながりでお声がけいただき、2つの仕事を受けました。

どちらも独立祝いでいただいたような仕事でした。

単価は抑える一方、関与度合いは高めて、満足いただけるように価値提供しました。

 

2年目も前職のつながりでしたが、こちらは営業代行のような形。

Feeを分け合う形で、営業をアウトソースしました。

自分からアウトソースを依頼したのではなく、先方から「やりませんか?」と運よく声をかけていただき、進んでいった話です。

 

3年目も同じような営業代行の形で進めましたが、これをずっとやっているわけにもいかない(クライアントにとってはFeeの負担が大きくなってしまう)ので、どうしようかと考えていました。

かと言って、自分で営業できる(営業したい)わけでもないし、どう進めるのがいいかなと。

 

そんな4年目の頃、1-3年目でお仕事をしたクライアントから紹介していただけるようになりました。

紹介いただいた仕事では、何でも対応し、紹介してくださった方に貢献できるように腐心しました。

 

そして5年目に、それまでの仕事を評価してくださったVCの方々から声をかけていただき、投資先の人事制度設計を紹介いただけるようになりました。

もちろん投資先にもフェーズやニーズがあるので、その辺はVCの方々と相談しながら慎重に進めていった記憶があります。

紹介いただける機会も増えてきたのが、6年目で、この頃からリソースの関係で対応できない仕事も増えてきました。

 

7-8年目は、既存クライアントと新規クライアントのバランスを取りながら、自分なりのポートフォリオを組んでプロジェクトを進行。

スタートアップの人事制度について深い考える時間が過ぎていきました。

 

9年目からブログを開始。

ジョブの量を減らしながら、R&Dの位置づけとしてブログに時間を投下します。

前職の7年の経験、独立してから8年の経験、合計15年の経験で、やっと知見・ノウハウを発信できるようになったと思いました。

学び・発信のスピードが、まったくもって遅い人間です。

そのブログをきっかけに出版の機会をいただき、10年目に上梓。

 

出版した後は、ダイレクトでお問い合わせをいただく機会が増えてきました。

制度設計のジョブだけでなく、イベント等の登壇機会もお声がけいただき、日々のコンサルティング活動で得た知見を発表しています。

 

「何とかするしかない」と言いながら、営業はすべて「プッシュ」ではなく「プル」です。

前職でリーマンショックを経験したとき、仕事がなくなってしまい、一度だけテレアポを経験したことがありました。

自分にはまったくできない仕事だと思いました。

絶対に、自分には成果が出せない難易度が非常に高い仕事だからです。

根が臆病で、怠惰であり、世間に対して構えている自分にはできない荒業です。

自分からやろうとすることは絶対にないはずなので、やらざるを得ない環境で少しだけ経験できたことは、今思えば幸運だったのかもしれません。

でも、これはいくらお金を積まれてもできない仕事だなと。

 

どうすれば「プル」の状態をつくれるのか。

誰が、僕に仕事を依頼してくれるのか。

相手の期待は何か。

どういう決済プロセスか。

依頼する理由、断る理由、先送りする理由は何か。

問題は何か。

人事領域は、どんな会話を発端に始まるか。

いくらが適正価格なのか。

相手は、誰にまず初めに相談するか。

競合は何か、誰か。

タイミングはいつか。

どういう相手と付き合うべきか。

どういう相手と付き合ってはいけないか。

長く付き合うべきか、単発の仕事も受けるべきか。

人事制度の設計以外も価値提供を考えるか。

めんどくさいヤツ、と思われないようにするのはどうすべきか。

 

こんなようなことを考えていました。

でも、結局その答えは未だに見つかっていないところが多く、とりあえず目の前のクライアントに貢献することを重視してやってきました。

それが独立後の営業活動の芯だったように思います。

 

Share this…