評価会議の目的を考えるため、たとえば廃止してしまったらどうなるのか、と考えてみました。
廃止しても、企業活動は問題なく進むと思う一方で、経営陣は不安に思うだろうと。
そこから逆算し、評価会議の目的を改めて考えてみました。
信頼性と妥当性
経営陣が「評価、大丈夫かな」と不安に思う際、2つの視点があります。
「信頼性」と「妥当性」です。
信頼性とは、別の方が評価しても同じ結果となるか。
つまり、つまり評価の甘辛がないかどうかの視点。
妥当性とは、その評価が目的に合致しているか否か。
私は、評価は「納得感」を重視しているため、評価に納得しているか、と読み替えることができます。
被評価者が評価のプロセスと結果に納得していれば、評価制度における目的は果たせていると考えています。
この2つの観点で、経営陣は「大丈夫かな」と不安に感じると考えました。
信頼性は、現場への権限移譲で乗り切る
評価の甘辛について、一定の規模を超えた会社であれば経営陣がすべての評価結果をチェックすることは難しくなります。
なので、基本的には現場への権限移譲を通じて解決します。
そのための評価基準や評価プロセス等の設計が、経営(と人事)の仕事になります。
ただし、経営陣に近いレイヤーの評価については、その詳細まで把握できているはず。
そのレイヤーの評価の信頼性については、経営陣たちで議論できるようにしておくことも大切です。
この議論は、評価会議などのキャリブレーションプロセスの最初に実施します。
もし、ここで甘辛の目線がズレている場合、下部組織でも同じようなズレが生じる可能性があるため、問題を定義し、解決に向けて動きましょう。
妥当性は、被評価者本人へのサーベイで把握したい
評価結果への納得感は、本人に直接聞きます。
評価結果に納得していますか?
- Yes
- Yesとは言い切れない
- No
3つの選択肢があれば十分です。
この結果を、評価会議の場で評価結果と同時に確認できると素晴らしいです。
信頼性は現場単位のプレ評価会議で担保し、その先の妥当性はサーベイ(アンケート)で担保する。
この2つがプロセスとして組み込まれていれば、もし評価会議を無くしても問題の有無を感じることができると思います。
もちろん、「納得感」のYesの割合について「90%」を求めるのか、「80%」なのか、という問いは生じますが、過去比較をしながら一定のラインを振り返りの基準に活用できれば、評価制度がいつの間にか形骸化していた、もしくは評価の副作用が強すぎるといった問題は避けることができます。
話は少し逸れますが、人事評価システムの中に「評価への納得感」をリアルタイムで取得できるプロセスがあると嬉しいですね。
他の余計な機能などはいらないので、評価オペレーションの完了ボタンと同時に簡易アンケートがサクッと取れると。
メッセージとして「評価会議を廃止すべし」というわけではなく、改めて評価会議の目的とは何なのか、を考えるきっかけとするべき、この問いを考えてみました。
フェーズが変わり、制度を変更する際、まず考えたいのは「やめること」。
必要性から目的を逆算することで、余分な作業を思い切って無くすことに有効です。
代わりに別の領域にリソースを注ぎ込み、価値を高めていくことが大切です。