現場管理者に、人事制度をうまく運用したり、説明してもらうための方法

人事制度を現場管理者が本質を理解して運用する、さらに質問された際に自分の言葉で説明してもらうことは重要であると同時に難しいです。

決めておくべき制度を細かく設計し、ルールとして言語化しておくことが求められます。

ただし、これを続けると制度が複雑になり、結果として運用できない状態に陥ります。

だからといって、制度を曖昧にするのも悪手です。

さて、どうすべきか。

 

コンテキスト(文脈)で、説明・判断できるようにする

制度は曖昧さをなるべく無くし、潔くしていきます。

一方、この作業に没入してしまうと、上位概念としての目的や方針が忘れられてしまうことがあります。

大切なことは、常に目的や方針に立ち返り、そこから論理的に考え、今ある制度を批判的に検証・吟味することです。

現場管理者には、この論理的思考力が必要です。

低ければ育成します。

 

ルールがある前提で、批判的に考えていくと別の見方もできる。

そういう場合、現場の解釈を尊重します。

クリエイティブスペースが生じたということです。

もちろん、現場管理者には説明責任があります。

もちろん結果責任も。

 

自ら考え、判断することを推奨し、さらに尊重することで当事者意識がうまれます。

組織をマネジメントする方に当事者意識は不可欠。

他人を通じて成果を出すという役目のため、自分だけでなく、他者に対しても当事者意識を拡げることができなければ、他責になったり、やり切る力が高まりません。

意思決定する場を提供し、その意思決定をサポートする仕組みをつくり、意思決定を尊重しましょう。

そのための人材育成は必須です。

 

「やらないこと」「やってはいけないこと」を決める

要は、現場管理者の裁量を拡げる話なので、デメリットやリスクも生じます。

そのヘッジとして、まずやりたいことは「やらないこと」や「やってはいけないこと」を明確に決めます。

もちろん、なぜ「やらない」のか、「やってはいけない」のか、についての理由を添えて。

この決め事がないと、結果として現場の意思決定を尊重できないケースが起きます。

すると、現場では「言っていることとやっていることが違う」と、一貫性に疑問を抱き、経営への信頼を失っていきます。

ポイントは「これをやってほしい」ではなく、「これはやらないよ」「これはダメだよ」と事前に伝えておくこと。

やることを決める裁量は現場に任せても、事前にわかっている範囲ではあるものの、やってはいけないことは現場の裁量に任せる必要はありません。

思いのほか、やってはいけないことを、わかりやすい理由を添えて言語化することは難しいと感じるはずです。

 

時間を生み出すために自動化する

現場管理者に「考える時間」を持ってもらうために、必要最低限の管理業務を徹底して自動化していきます。

コストをかけて、リターンを狙います。

そのポジションに期待される価値を創出するためには、必要な時間があります。

得てして現場管理者は、プレイングマネージャーといった言葉遊びを惑わされて、時間を使い方を見誤ってしまうことが多く、問題意識すら持っていないことも多々あります。

プレイングとマネジメントは両立できません。

ここでいう「両立」とは、それで期待通りの成果を出すことは不可能という意味であり、期待未満の成果でとりあえずこなすことはできるという意味でもあります。

こういう考え方にも正解はありませんが、自分たちとしての考え方は明確にしていきましょう。

多様な考え方が存在すべきですが、経営としての考え方も自信をもって明示すべきです。

 

自動化の役割は、現場ではなく、本社機能のスタッフ部門です。

最高の専門性をもったオペレーション改善のオタク勢でチームを組成しましょう。

中途半端な専門性では、自動化のレバレッジは効きません。

とにかく問題を大きく、大きく設定すること。

解決できた際のインパクトが大きいことを示すことで、優秀な人材は集まってきます。

その仲間を集めるミッションは、経営のミッションです。

 

補足:時間を生み出す最も筋のよい手は、自動化ではなく、省略できる仕事をやめる・やらないことです。

 

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